炎の狩人 弐【鬼滅の刃】

呪い ページ22

『テメェは俺が殺した上弦の陸より弱い。俺がテメェを殺す』
「それは鬼舞辻が弱い鬼ばっか集めるからだよ」
『？！名前……死なない？！…』
「俺はあいつの呪い外してるから。兄さんでさえ俺が死んだと思ってるよ」
(頸を斬っても死なない。こいつを殺せなきゃ、無惨を殺すなど夢のまた夢！)
夜明けまであと2時間38分。

“水の呼吸 拾伍ノ型 濁流満々”
“炎の呼吸 伍ノ型 炎虎”
“水の呼吸 参ノ型 流流舞い”

『チィ』
技が変形して、俺の足に入った。
「まだ動くの？気力も凄いねぇ」

“炎の呼吸 参ノ型 炎柱刀…

『グハッ、ハァハァ、ゴブッ』
俺は地面に蹲って喘ぎ、泡と水を吐いた。血が留めなく溢れる。咳が止まらない。
「そりゃ人間だもん。息も続かないし体力もきれるよね。残念だなぁ。かわいそうに。俺は優しくて平和主義だから、君を鬼にしてあげるよ」
(肺が痛い！息切れが止まらない。咳も止まんねぇ。悪寒が背筋を走る。負けるな負けるな！俺はまだ生きてる！希望は続く！心を燃やせ！)
蒼汰が一歩、俺には近づいた。もう一歩。

“炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄”

「(もう死ぬと思ったところから起死回生の一撃。俺の体を一瞬で細切れにする威力。それを防がせないスピード。強い！)」
『俺は…まだ…死んでねぇ！』
もう一度、頸を斬る。夜明けまであと2時間3分。

“炎の呼吸 壱ノ型 不知火”
“炎の呼吸 陸ノ型 炎海乱”
“炎の呼吸 捌ノ型 炎帝の怒り”
“炎の呼吸 伍ノ型 炎虎”

大技を連発し、再生を遅くさせる。何度も何度でも刀を打ち込む。左腕は動かすたびに鋭い痛みを感じるが、その腕でなお刀を打ち付ける。
「カァァァ。応援ヲ呼ンダ。アト45分程デ着ク筈ダ。ソレマデ持チコタエロ！御館様カラノ命令ヲ言ウ。絶対二生キテ帰ッテ来テネトノコト。」
(御館様…)
俺は目頭を涙が伝うのを感じた。夜明けまであと1時間39分。

“水の呼吸 拾漆ノ型 一衣帯水”

蒼汰が刀を振りかぶった。
(間合いが遠い。遠距離で斬撃をとばすのか？)
俺は体をひねった。しかし、斬撃は俺の右目にあたった。
(くっ、右目が見えない！)
地獄のようだった。両腕は死に、かろうじて刀を括り付けている状態。右目は見えず、体力の消耗もはげしい。夜明けまであと1時間30分。
「だいぶまずい状況だ。互いにね。俺は日が昇るまでにここから逃げなくちゃいけないし。じゃあね〜」

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