泥が塗られた花 (ページ25)

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●乱戦ページ25

シンたちは曲がり角で兵士を待ち構えた
気配を消し、ただ待つ。

暫くして兵士が来た
2人は飛び出して、シンは素早く兵士の耳の下を殴った。
トッツは兵士の脾臓に拳をめり込ませた。
兵士は音もなく気絶した。
2人はその服を着て、自分たちが着ていた服を着せ、その兵士を仲間に託した。
仲間が牢屋へ代わりに入れてくれる戦法だ。
(第二関門はクリア……次が最難関だ…)
彼らは奪った短剣をベルトに差し込みながら考えた。一人目の兵士が突き出した槍を半身になって躱すと、シンはその槍をもぎ取り、別の兵士に投げた。
槍が刺さる、嫌な音がする。

流石は訓練された兵だけに、槍を奪われた兵士は長剣を抜こうとしたが、
その途中でシンの短剣がその胸に刺さっていた。
その瞬間、背中の傷に痛みが走り、
シンは危うく短剣を取り落とすところだった。
トッツの援護もあり、3人目の兵士を切り崩すと
残る兵士は散っていった。

「きっと、仲間を集めるためだ。」
「ああ、逃げたわけではあるまい」
シンの意識はだいぶぼんやりとしてきたが、
城から出て、手近な森で野宿するくらいの余裕はあった。
なるべく人通りが多いところを通ったので、
うまく姿を眩ませられたのだろう。
翌日、シンが熱に魘されていても
追手の姿はなかった。

その次の日、ようやくシンが起き上がると
二人は森をそれぞれの故郷、アンサン王国とケルト王国の方向へ向かって歩いた。