13節目 ※ややグロテスク注意※ ページ14
足首が隠れるくらい深く、どこまで続くか分からない赤い水たまりの中に、琉美は立っていた。
周りを見回しても、全て飲み込むような黒と、どろりと解けるような足元の赤しかない。
動けずにいると、後ろからまた声が聞こえてきた。
「ほら、分かるかな?今まで貴方が殺してきた人たち。」
その言葉と共に、赤い水の中に沈んでいる何かに、足が当たった。
ちゃぷん、と液体の跳ねる音がする。
その足元を見ると、白い何かがあった。
やや歪な丸の、白い固まり。四つの穴が開いていて、ぱっくりと二つに割れている。
「―――あ。」
わかった。わかってしまった。
一つ気付けば、また一つ、また一つ、さらにまた一つと増えていく。
それはやがて足元を埋め尽くして、視界は赤と白の二色に彩られた。
「わかった?わかったよね。ほら、見てよ。こんなに小さいのまでさ。」
くすくすと笑って囁く声に、琉美は耳を塞いだ。
それでもその声は、琉美の耳に、頭に、直接響くようだった。
「こーんな小さい子まで殺しておいて、その手で妹を愛でるんだ。矛盾だね。面白いくらいに。」
「違う、だって、私は、だって、こんな……!」
「違わない。ほら、そっちも、ああ、こっちにも。ねえ、いつまで見ないつもりなの?」
琉美はハッとして自らの右手を見た。
そこに握られていたのは、青い水鉄砲ではなくて、ぬらりと光を反射する、
銀色のナイフだった。
12人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆずぽん(プロフ) - 実麗@受験生(建前)さん» あああ、ありがとうございます!そう言っていただけると幸いです……! (2017年11月26日 22時) (レス) id: 557f97ce01 (このIDを非表示/違反報告)
実麗@受験生(建前)(プロフ) - ゆずぽんさん» いえいえ!格好いいアクションシーンに一役買えただけでも嬉しいですし (2017年11月26日 18時) (レス) id: 58144b90d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽん(プロフ) - 実麗@今年の誕プレは9mm口径モデルガンだったさん» ありがとうございます!折角貸してくださったのに、出番少なくてすみません・・・・・・。 (2017年11月26日 17時) (レス) id: b5c0886d76 (このIDを非表示/違反報告)
実麗@今年の誕プレは9mm口径モデルガンだった(プロフ) - 完結おめでとうございます!アンタレスを使って頂いてありがとうございました〜*^^* (2017年11月26日 9時) (レス) id: 80fcad1283 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽん(プロフ) - ありがとうございます!使わせていただきます! (2017年11月11日 20時) (レス) id: b5c0886d76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆずぽん | 作成日時:2017年9月13日 0時