遠く 2

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石｢打てへんかった｣






ドラゴンズとの第２戦。


巨人はヒットわずか２本で完封負けした。



打ったのは、陽さん、脇谷さんだけ







中｢慎吾だけちゃうで。打てんかったん。俺も。｣

『そう。仲良くフォアボール1個ずつ』

中｢そう。仲良く1個ずつ｣

石｢せっかくスタメンで出れたのに｣

中｢久しぶりにスタメンで出たん慎吾だけちゃうで。
俺1ヶ月ぶり｣

『そう。二人揃って仲良く久しぶりのスタメン』

石｢ゲーム差2.5なったやん｣

中｢慎吾だけのせいちゃうで。俺も。｣

『そう。今日はみんな悪かったよ？』









よほど悔しかったのであろう慎吾が普段はこんなに落ち込まず、次に向かって動き出すのにしょげたままでなかなかその場を動かない



それを中井さんと2人で励ます





石｢やばいな〜俺もチームも｣

中｢俺はお前より崖っぷちや｣

『みんな崖っぷち。あの勇人さんだってスランプ入っちゃったし』

中｢そう、みんな波は付きもんや。
でもその時に自分のできる最低限のことしてたらええねん。
バッティングでけへんねやったら守備、声。
できる限りでやってるだけええねん。
俺なんか打たれへんのに守備もできひん。って時期あったから｣

『あ〜〜、ありましたね』

石｢俺はなかったっす｣

中｢うるせえ。だから大丈夫やゆうてんの。｣




中井さん、自虐ネタ始めるから私どう反応すればいいのかわからなくなってたら慎吾がスパッとツッコミよった。




先輩の自虐ネタに対してそんなことゆえんねからもう大丈夫やな



『さ、行こ。慎吾が明るくないとどうやってあの雰囲気治すん』




ズーンとしたロッカールームを指さすと、それをみて笑顔になった慎吾。なんで



石｢俺が明るくしてくる｣

中｢頼むで｣

『慎吾じゃないと出来ひん。』








2人で慎吾を送り出すと走ってロッカールームに入り、
しばらくすると静まり返っていたはずのロッカールームから選手の話し声や笑い声が聞こえるようになった。




勇人さんの、楽しそうな声も。






良かった。







キャプテンのスランプに四番の怪我。
勝ち頭についた黒星。




今日はいいことなかったけどまた切り替えて、残り試合全部勝つぐらいの勢いで頑張って欲しいな






中｢ありがとうな｣

『いや、ほぼ中井さんのおかげですよ』

中｢自虐ネタ効いたな｣

『効果抜群でしたね』

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