お互いの時間 ページ14
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「俺な、前に、と言っても昨日か。昨日Aに言われて思ってん。やっぱ俺昔のAしか知らんかったなって」
『うん』
「まあそりゃ10年も経てばお互いに変わるよな。やから、まあ、教えて欲しい。Aの事。」
会話は途切れることなく、時に笑い合いながら目的地までふらふらとゆったりと散歩するように向かった。
まさかこんな日が来るとは思ってもいなかった。
プライドが消えたような、昨日感じた壁が綺麗に溶けたような、そんな不思議な気持ちだった。
店に入りメニューも見ずにお互いすぐに注文を済ませた。
そこでひとつ、知った。
永瀬はいつもミラノ風ドリアしか頼まないことを。
そしてもうひとつ知った。
間違い探しに子供のように楽しそうにやることを。
そんな彼から視線を外し携帯をいじってると永瀬が溜息をついたことによりまた永瀬へと視線が戻った。
永瀬はしばらく間違い探しを頑張っていたのだろうが諦めたのか、溜息をつきながら元の場所に戻したのを見て思わず子供っぽいと笑ってしまった。
そして、今に至る。
『…私の事？』
「例えば今、Aはサイゼでカルボナーラしか頼まないんやなぁって思ったし、ほら、携帯は両手でいじるんやなーとか。」
『…』
思考回路が永瀬と同じでびっくりする。
…そっか、同じこと考えてたんだ。
こうなんだな、こうするんだなって、永瀬も私を見てたんだ。
「でも俺パンケーキ、嫌いなの知っとるし今は野菜好きなのも知っとる。お昼寝好きで鬼ごっこ嫌いなのも、知っとんで。」
『…』
「でもこんなの、人伝だったり俺から見て、の話やから本当かわからん。…で、俺にAを教えて欲しい。さっき数学と化学教えたお礼に」
『…わかった。』
丁度その時料理が来たのでこの質問大会とやらは食べながら行われるのだろう。永瀬はスプーンを取り1口ぱくりと食べた。そして、私への質問が爆弾のように投下された。
「身長は？」
『163』
「体重」
『言うかあほ』
「嘘やわ。好きな色」
『黒と白』
「好きな食べ物」
『お肉』
「嫌いな食べ物」
『…いっぱい？』
「好きな芸能人」
『吉沢亮』
「嫌いな芸能人」
『えっ…クロちゃん？わかんない』
「好きな人おる？」
『ううん』
「嫌いな人」
『秘密』
じゃあ、と永瀬がスプーンを置いてこちらを見たので私もフォークを置いて彼を見つめ直す。
「俺のこと、どう思ってる？」
．
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さくさくぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます！読み度涙が止まりませんでした…。続編是非読みたいです!!!! (2020年1月3日 5時) (
レス) id: e39a486ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編本当に待ってます！！！！！！一生のお願い！笑笑 (2019年12月15日 23時) (レス) id: cdb1cf462c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - 完結おめでとうございます！afterstoryぜひ読みたいです☆ (2019年12月15日 15時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - 思わず一気読みしてしまったんですが、泣いてしまいました(;o;)是非after story読みたいです！ (2019年12月15日 13時) (レス) id: dfd709edb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちな - 完結おめでとうございます！最後キュンキュンもしたし、涙も出てきて………時間があるのなら、アフターストーリー読みたいです！楽しみにしています！！ (2019年12月15日 9時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚木 | 作成日時：2019年10月16日 22時
