（2）2学期、心機一転 ページ7
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「はよ！！！」
「…おはよう」
人気者である優太は一声、いや、二言「はよ」と声をかければクラスにいる9割は優太の方を向く。
そのままみんな笑顔で優太におはようと言い、ついでに私におはようと笑いかける。
だが今日は違った。
優太の方を向いたみんなの視線はそのまま下へ────そう、繋がれた私たちの手へと向けられた。
「「「「えーーーーー！！！」」」」
この時初めてクラスが一致団結したなあと思えたほどの始まりから最後まで綺麗に揃っていた。
1人を除いてはえーーと言ったあと周りにいる仲のいい友達とコソコソとこちらを見ながらニヤニヤしていた。
その1人と言えば今優太の肩に思いっきり腕を回してる
「ゆーた！！ついに告ったん！？」
「ちょ、だまれお前！」
ついにという言葉に違和感を感じたが永瀬は元々適当な人間なのでこれも適当に言ったのだろう。
わざわざ気に止める必要は無い。
「やっとやん！優太ずっと───「ちょーーい廉さん！」…なんや」
「後で詳しく話すから、な？頼むから黙っててくれ」
「えー、…よくわからんけどわかった」
「よし、偉い偉い」
私には全く理解ができないやり取りをする2人から目を逸らしていつこの手が解放されるのだろうかとぼーっと何も書かれていない黒板を見ながらため息をついた。
すると私の視界に永瀬がひょっこり顔を出した。
「Aちゃんおはよう」
「おはよ」
「元気？」
「うん」
「生きとる？」
「うん」
永瀬と初めて話した時から朝は何故かこのやり取りをする。
最初こそなんなんだと思ったが今は気にしない。
だって、永瀬適当なんだもん。
この前、と言っても夏休み前だが永瀬に「4限なんだっけ」と聞いたら「数学」と真顔で言われたので数学の用意したら世界史だった、という事件があった。
その後言及したら「そんなん言ったっけ」とこれまた真顔で言われた。
こんな些細なことが積み重なり私の中で永瀬廉＝適当という素晴らしい方程式が成り立っている。
自分の席に着くまでに「おめでとう」と何度も言われ何度も「ありがとう」と愛想笑いをした。
ごめんみんな。
付き合ってる(仮)なんだわ。
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作者名：Kaede | 作成日時：2019年9月24日 20時
