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ホテルでチェックインを済ませ水着を持って早速海へ向かう。
毎年ホテルの部屋割りは親同士、兄同士、下同士で決まっている。
つまり私と優太が同じ部屋っていうわけだ。
今に始まったことではないし意識するのも今更って感じがして胸の高鳴りが！なんて展開はどこにも見当たらない。
何せあの岸優太だ。
「っしゃー！海！」
…この岸優太だ。
精神年齢が誰よりも低い優太に皆苦笑する。
俺らも行こうぜと言って兄組も退散し残るはガールズ(そう言えって昔言われた)のみとなった。
「Aちゃんなら優太あげちゃうのにな〜」
「えー、いらなーい」
「そんなこと言わないの。…でも優太くん扱えるのAぐらいじゃない？」
「んー…かもしれないけどこれ以上は優太可哀想だから私も行くね」
「「行ってらっしゃーい」」
日焼け止めを塗り塗りしてるマミー達は放ってバシャバシャと遊ぶ子供組の方へ向かう。
男3人女1人だからお母さん達からの優遇はすごいしお兄ちゃん達からもめちゃくちゃ優しくしてもらえるからこの立場も悪くは無い。
にしても混んでるなぁ。
キョロキョロと周りを見ながら目的地へ足を進める。
うわ、あの人達髪色派手。
ピンクに金髪に赤って…なんか黒の人もいるけど黒も奇抜な色に見えてきた。
…あ。
「A？余所見してると危ないよ」
「ゆーたゆーたゆーたゆーた」
「なになになになに」
「あのピンクの人かっこいい！」
「え…あぁ…」
「…知り合い？」
「いんや、、知らない」
「なーんだ」
「と言ったら嘘になる」
「…あは、知ってるんだ」
「でも俺絶対に嫌だからね！行くよ！」
「…なにが？」
グイグイと腕を引っ張られるが私の視線はピンクくんに釘付けで。
「あ」
今目合ったよね！？てか現在進行形で目合ってるよね！？！？
「え」
今微笑まれたよね！？え、見間違いじゃないよね！？！？
「おーい、A？」
「…優太」
「…A？」
「私もピンクに髪染めようかな」
「はい？」
「へへ」
私の言葉に理解が追いついていない優太は置いといてお兄ちゃんが投げたビーチボールを思いっきし殴りに海へ飛び込んだ。
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作者名：Kaede | 作成日時：2019年9月24日 20時
