相対性理論＊Yuta.K (ページ3)

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「俺の彼女になってくんね?」

「…いいよ」

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「…まじで言ってる？」

「優太のことだからなんか理由があるんでしょ？」

「…、流石。俺人気者じゃん？」

「…まぁ、うん。ムカつくけど否めない」

「で、お前知らないと思うけど俺結構告られてんのよ」

「え」

それは知らなかった。
確かに優太は男女問わず人気者で常に周りに誰かいる。
みんなの優太に対しての"好き"という感情にまさか恋愛が混じっていたなんて…しかも告白されてたなんて…なんか悔しい。優太に負けたみたい。悔しい。私1回も告られてない。悔しい。

「中学ん時はお前の方がモテてたのにな、今俺めっちゃモテててさ。」

「うるさいわ。それで？」

「毎回お断りしてるんだけどよく彼女いないならいいでしょ？とかさ、好きにさせるから、とか言ってくる女のコもいるの。ぶっちゃけめっちゃ迷惑なのよ」

「だから私を彼女にして追い払おうって？」

「そう！お前絶対俺のこと好きになんねえじゃん？だからちょうどいいかなって」

「まあー…確かにね？」

優太のことは男だとは思ってるけど異性だとは思ってないというか…矛盾してるけど要は恋愛対象では無いのは明らかで。
一方の優太だって私に対してトキメキもクソもないと思うし女として見てくれてるかどうかも危うい。

なるほど。ビジネスパートナーとしてはぴったりなわけだ。

でも…

「彼女になるって…ちゅーとかすんの？」

「そんなドン引きすんなよ…しないしない。手繋いで帰るぐらい」

「えー…」

「そんぐらいいいだろ？何回も繋いできたわけだし」

「んー…」

「…Aはなんも気負わなくていいの。ただ彼女ってレッテルが貼られるだけで実際幼なじみであることにはなんも変わんねえもん。ちょいと距離近くなるだけだろ？」

「…分かった。ちょーっとだけ距離近くなるだけだよね？」

「…そう、ちょーっとだけ」

「じゃあ二学期からよろしくね、ビジネスパートナーさん」

「…ビジネスパートナー…」

「そんな悲しげな顔しないでよ。実際そうじゃん？」

「へーへー。お願いしますわ」

笑いながら私が差し出した手を握った優太。
今考えればこの時の優太の心境を考えると心が痛くなる。

彼女というレッテルが貼られるだけ。

些細なことのように見えるがこの関係が
良くも悪くも私たちの関係を変えてしまうのだった。

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