涙跡とあと ページ7
涙が止まったのは、アンディが出て行って暫く経ってからだった。
机につっぷする形で目を閉じた。
トントン、トントン
「夏香」
「んー」
目を開けると、アンディがいた。
Are you okay?
コクンと頷く。
アンディは察して、友達が待っているよ、と言って手を引かれて部屋を出る。
何も言わない私をアンディはそっとしておいてくれた。留学したときによくやった方法だった。お互い会話をせずに手だけを繋ぐ。時々私は袖をつかむ。
体育館に着くとハルが飛びついてきた。
「夏香、大丈夫?」
また頷く。
ハルは微笑んで、楽しかった?と聞いてきた。
また頷く。
アンディが玄関まで送るよって言ってくれた。
あ、俺も。と言ってハルの好きな選手がやってきた。
玄関まで送ってもらってハルは「ありがとうございました。いつも応援しています」と言った。
「いえいえ、いつもありがとうございます」
Thank you so much!
ハルが私の方を見る。
Thank you for helping. I'm so sorry.
No problem.
「また来てね、Please come to again with your friend.」
微笑み頷いた。
出ようとすると、アンディが名刺を渡してきた。
今日のバレーの感想が聞きたい、いつでも連絡して。と言われた。
お礼を言って体育館を出た。
帰り道は何も言わなかった。
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作者名:yuzu | 作成日時:2017年8月1日 16時