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さようなら、愛おしい人 ページ1

長い冬から、やっと春になったとき、私は立ち止まってしまった。

「桜が咲いたら会えるよ」

最愛の人が残した言葉は今でも私を支えている、それと同時に哀しみを持ってくる。

まだまだ、桜は咲かないよ。




空を仰ぐときれいな青空だった。


春の風と空が私の目に水を溜める。


お願い、溢れないで。
お願い、もう少し待って。
お願い、離れないで。
お願い、行かないで。
お願い、もう一度。

もう一度だけ、会わせてよ。


神様、お願いします。

最愛の人に……会せて………


最愛の人を失った哀しみは徐々に感情を蝕んでいった。それに気づくのはまだまだ先の話し。

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作者名:yuzu | 作成日時:2017年8月1日 16時

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