【HQ】続・俺らのマネが悪女のターゲットにされたので全力で潰す。【男主】

56　茜side ページ10

夏休みに入って、早速明日から合宿がある。




東京の戸美学園というところと、一週間の合宿。

なんでも、戸美とは監督の人脈で繋がるところがあったらしい。




俺は明日のために早く布団に入り、すごくわくわくしてる。



夏休みに入ったら、もう男子にいじめられることはないから。




百瀬さんのことは気掛かりだけど、俺が我慢すれば良い話だし、
百瀬さんが犯人だってみんなに隠すことができたから。

…バレてるかもしれないけど。そこらへんは微妙。バレてないといいな。






不安より期待が大きく、そのまま眠りに落ちようとしていたまさにその時。






ピコン♪



携帯が鳴った。






『…あ、英太』








“明日から東京で合宿っつってたよな？ウチも東京”





だって。へえ。会えるかな、合宿所近くで。




“どこと？”




って送ったら、




“井闥山と稲荷崎”




だって。わお、流石強豪。





ブロック解除した白鳥沢の皆からは、ちょくちょくメールがくる。

川西なんかは、ガラケーの俺のためにわざわざアプリを入れたんだって。


若利から

“元気か。俺は元気ダヨー☆そうか。”


って来たときは、即行で天童に怒りのメールを送った。腹筋壊れちゃうでしょ、変なこと教えないで、って。




英太に“おやすみ”って送って、まぶたを閉じると、また


ピコン♪

って鳴った。





…我の眠りを妨げるでない。もう9時ぞ。






眠い目を擦って見ると、



“母さん”。




げえ。帰り遅いとか知ってるから、いちいち連絡してこなくて良いのに。




と思ったら、違った。







“お父さんの友達に、バレーの監督やってる人いたでしょ？

その人に、「息子が目のせいで進路に困ってる」って言ったら、

「兵庫に戻ってこないか」だって。”






ちょっと、誰がいつ進路に困ってるって言ったの。勝手に決めないで。


父さんは海外のリーグで活躍してて、向こうで事故にあって死んだ。
その父さんの金で毎日遊んでるくせに、なに心配してるみたいなこと言ってんの。


戻ってこないか、ってのは、俺が小学校まで兵庫にいたからだと思う。







イライラして、“考えとくね”って送って、

ケータイをそばのクッションに投げた。








もー、
母さんがあんな遊び人じゃなくて英太なら良かったのに。









in白鳥沢学生寮＿




瀬見「っへっくしょい！！」


白布「…瀬見さんて風邪ひけるんですね」


瀬見「…ど う い う 意 味 だ…！」

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