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百瀬「及川せんぱい、なんですか?」
及川が、無理に笑顔を作ったのがわかった。
及川「コーチに、俺らちょっと遅れるって、伝えてきてもらってもいい?」
百瀬「はいっ!」
百瀬は、立ち上がれないほど頭が痛いという設定だったのも忘れて、体育館の方へ走っていった。
貴「っ…」
瞬間、Aの体が弛緩する。
体の力が抜けてしまったようだった。
床にぺたんと座り込むAに渡が駆け寄ると、Aが座ったまま渡にしがみついた。
渡「え、ちょ、大丈夫ですか…?」
貴「…ご、めん……」
Aが薄く目を開けてこちらを見れば、
観念したように白状する。
貴「…俺、女の子、ちょっと無理………」
『…どういうことだよ』
出来るだけ静かな声で問い詰めると、
貴「あ、いや、その、…女の子が苦手なんじゃなくて、…」
…そう言ったきり、黙ってしまった。
『…それが、バレーしたくないっつーのと何か関係あったりするか?』
及川「…岩ちゃん」
言ってすぐに後悔した。
…この質問は、いけなかったらしい。
Aが怯えた顔で静止してしまった。
Aがだいぶ落ち着いた頃、コーチが怒鳴りながら部室に入ってきた。
百瀬も居るのでは、とドキッとしたが、今はいないようで安心した。
溝口「お前ら何してるんだ!もう10分も_アカネ…!?
…ああ、そういえば今日だったか」
今日、というのはAの転校のことだろう。
ちなみに監督とコーチは立場的に百瀬側だから油断はできない。
及川が百瀬のことは伏せて事情を説明すると、
一呼吸置いたあとこう言った。
溝口「あー…まあ、気が向いたときに来ればいいんじゃないか」
コーチは、そう言ってすぐに俺らの方にギロッと視線を送る。
溝口くんナイスゥ!と跳び跳ねる及川の頭をバインダーで叩き落とした。
及川「痛っ!!!」
溝口「お前ら…わかってるよな?」
_遅刻のペナルティは大きいぞ。
…いつもより20分ほど遅れて、午後の練習がスタートした。
スクワット地獄に喘ぎながらも、皆が考えていることはひとつ。
絶対、Aを男バレに入れてやる…!
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夏魚 - 花巻マッキー貴大で吹いたw (2022年3月13日 9時) (レス) @page15 id: 1abf611fda (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - つつきるさん» えーそうなんですか!そんなときは…どうすればいいんでしょう(゚ω゚) (2022年1月1日 23時) (レス) id: fc096b4a64 (このIDを非表示/違反報告)
つつきる - ヤバい俺の名前も茜だ、、。茜茜になったわ(笑) (2021年12月8日 19時) (レス) @page1 id: f14a78fd1c (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - 如月さん» まじですかwそ、その人にバレませんように(?)((゚□゚;)) (2020年9月26日 18時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - やべぇマネージャーの名前w知り合いにいるw (2020年9月23日 23時) (レス) id: e103ce8776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蟹江 | 作成日時:2020年5月22日 17時