【HQ】俺らのマネが悪女のターゲットにされたので全力で潰す。【男主】

22　菅原side ページ23

貴「あの、すいません」



『？はい。…あっ、さっきの』





トイレから出て声をかけてきたのは、
2セット目のあと青城の教師に引き摺られて強制退場させられてた人。

無表情のままギャラリーから飛び降りてきてビビったから覚えてる。



黒い前髪が目にかかって邪魔そう。で、だるそう。






貴「もう、試合終わっちゃいました…？」




『もう帰るところですよ！』





そう言ったら、「そっか…」って返ってきた。なんか残念そう？





貴「ねえ、烏野が勝った…と思うんだけど、ちがう？」




『え、…なんで？』





そんなに俺達強く見えたかな、とちょっと嬉しくなって聞いたら、
「なんとなく…？」って気の抜けたような返事が返ってきたからがっくりと肩を落とした。デスヨネ。





貴「及川どこ行ったんだろ」





そうやって周りをキョロキョロ見渡すと、目にかかった前髪がふわふわ揺れて。


それが視界を遮るのが自分でも邪魔みたいで、左手で前髪をかきあげた。







『…アカネ？』





貴「え、」






口から、ぽろっと出た単語。


いや、だって、ホントに。前髪上げたら、去年の月バリに載ってた“アカネ”にそっくりだったんだって。


黒髪オールバックにメガネの冷徹な、去年のナンバーワンセッター。茜Aにそっくりだった。



驚いたようにこっちを見てきたから、あわてて
人違いでした、って言おうとしたんだけど。







貴「俺のこと、知ってんの」






『え、じゃ、お前マジのアカネ…？』








澤村「おーいスガ！行くぞー！」



俺を呼ぶ大地に 先行ってて！と返す。


だって、だってそれどころじゃない。







『行かなくて良いの…？
え、っと…スガくん？』






…え、こいつ同い年だよな？
で、たぶん身長俺よりちょっと低いくらいだよな？




ダルそうな掠れた声で、見上げるみたいに話してくんの何なの？わざとなの？？


くそう、母性擽られるよコレ…可愛いよこのヤロー！








貴「烏野ってレシーブうまい人いないの？」








と思ったらすぐディスってくんの、何？

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