10 茜side ページ11
ここは寮じゃないから、自力で家まで帰らないとダメなんだ。つらい。
なんて、歩きながら思う。
さっきちょっと泣いたから、コンタクトに違和感。早く家に帰りたいと思って、つい足が急いでしまう。
『痛っ………最悪』
…コンタクトずれた。
仕方なく足を止めて道の脇に寄り、右目のを外す。
『っ……う、…ホント、最悪』
左目を閉じて、また泣きたくなった。
…前より見えなくなってる気がする。
うっすらとした建物と人の輪郭と、明るさのみが見える。…これはもう、見えるとは言わないか。
やっとマンションに着いたと思ったら、
ピコン♪と、メールの通知音が鳴った。
携帯を開けば、”母さん“の文字。
“お母さん今日も深夜だから。学校どうだった?知ってる子いた?帰り方わかった?”
…だって。うるさいな、別に俺のこと心配も何もしてないくせに。
実質ひとり暮しだ。朝、俺が起きる前に出掛けて、夜、俺が寝た後帰ってくる母親。
そりゃ、父さんが死んで、家計に困ってるって言うんだったら。頑張って働いてくれてるんだな、って思う。俺も頑張ろうって思うけど。
うち、お金だけはあるんだから。
一生働かずに生きれるくらいお金ある、多分。
じゃあ毎日遅くまでなにしてんの。
…考えたくない、考えるな。
違うこと、考えよう。
…先生はいい人だった。クラスの人も。
最初に話しかけてきた子、親切だったな。学校案内しよっか?って言ってくれて。
隣の席は男女の比率の関係で男だったけど、面白い奴だった。
先生、所属関連は期限言ってなかったからゆっくり考えようと思ってたのに、
帰ろうとしたら教室の扉の前でたくさんの人が待ち構えててちょっとびっくりした。
それで、及川が…
_流石No.1セッターって感じだったのにサ
『っ…うるさい…』
_いたたたっ!頭割れちゃったかもしれへん〜…
『…ごめん、ごめんなさ、っ…
…も、ホント、最悪…!』
ベッドにうつ伏せに倒れ込み、枕に拳を叩きつける。
_このままやめられんのはなんか癪だからさ、男バレ入れよ
_それが、バレーしたくないっつーのと何か関係あったりするか?
_まあ、気が向いたときに来ればいいんじゃないか
『う、るっさ…』
一度考えてしまうと、例え嫌なことでも思考はどんどん進んでいく。
その日俺は、夕飯も食べずに寝てしまった。
1695人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏魚 - 花巻マッキー貴大で吹いたw (2022年3月13日 9時) (レス) @page15 id: 1abf611fda (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - つつきるさん» えーそうなんですか!そんなときは…どうすればいいんでしょう(゚ω゚) (2022年1月1日 23時) (レス) id: fc096b4a64 (このIDを非表示/違反報告)
つつきる - ヤバい俺の名前も茜だ、、。茜茜になったわ(笑) (2021年12月8日 19時) (レス) @page1 id: f14a78fd1c (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - 如月さん» まじですかwそ、その人にバレませんように(?)((゚□゚;)) (2020年9月26日 18時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - やべぇマネージャーの名前w知り合いにいるw (2020年9月23日 23時) (レス) id: e103ce8776 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蟹江 | 作成日時:2020年5月22日 17時