【HQ】俺らのマネが悪女のターゲットにされたので全力で潰す。【男主】

1　岩泉side ページ2

…3年になって、一週間ほど過ぎた頃。






「白鳥沢学園高校から来ました。
茜Aです」






『ッゲホッ、ゴホッ！！…あ”！？』


「どったの岩泉？
あー、あいつどっかで見たことあるー」







初っぱなから凄えパワーワードぶちこんで来やがるな、と思った。


白鳥沢も十分驚く要素だけど、コイツ今「茜A」つったか？



去年の高校No.1セッターじゃねえの。


月バリに“ウシワカの無二の相棒”として載せられてたと、及川が言っていた。あのアカネが、この学校に転校？


親の転勤とかじゃ、ないよな。白鳥沢からここ結構近いし。



一人で悶々と考え込んでいると、茜はなんか…国見のセンター分けじゃないバージョンっつーの？目にかかって邪魔そうな黒い前髪を揺らして歩いてきて、

俺の斜め前、窓際の席に座った。




担任教師の話なんざ少しも耳に入らず、
斜め前に座る茜を観察する。



…ネット越しに見たイメージと違って随分暗いやつだ。





俺の隣の席の女子が、前に座る茜の背中をつついた。




茜はだるそうな、眠そうな顔で振り返ったあと、女子を見て硬直した。





(読・ん・で)




女子が口の動きで何か伝えながら、折った小さな紙を渡す。




茜は開いてじっと見つめたあと、女子に渡されたペンでつらつらと文字を書いて渡し、
再び前を向いた。





「…岩泉、岩泉」




隣の女子を見ると、頬を染めてくすくす笑っている。




『ん？』




ニヤニヤしながら、さっきやり取りしていた紙を見せられた。





最初は女子の筆跡だ。



“よろしく！ 〇〇って呼んで。茜くんは部活どーすんの？やっぱバレー？”



その下に薄く丸っこい字で



“ちがうよ。からだ動かしたくない

おやすみ”



とかいてあった。






「“アカネ”の筆跡ゲット…！」とかいって大喜びしている女子は置いといて、





茜を見れば、既に机に突っ伏して眠っている。
転校早々居眠りとは、やるなお前。…じゃねえ。






まさかコイツ、バレーやらないつもりか。





これはアイツらに言わないと…

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