ウシワカ ページ25
中也「此処か？“ウシワカ”が居るってのは」
校門には、大きく羽を広げた鳥の像。確かに”白鳥沢“という文字が刻まれている。
迷いに迷って、結局着いたのは合宿を抜け出した5時間後。
腕時計を見れば、既に午後4時を過ぎている。
夜には捜査があるのだ。それまでに帰らなければならない。
中也とAは駆け足で敷地内へと入っていった。
今は夏休み真っ只中。見たところ部活は盛んに活動しているが、制服を来ている生徒はごくわずかだ。
故に練習着のまま来てしまったが、簡単に侵入することができた。
＿ちなみにAはメンバーの名前、顔、ポジションから好物まで全て調査済みである。
すると、通りすがった男子生徒がAに声をかける。
「ね、君男バレのとこ行くの？」
急いでますオーラをかもし出しながら怪訝な顔をして見せると、
ごめんごめん、俺、3年の佐藤。と全く悪いと思っていない顔で云われた。
「これ瀬見に渡してくんね？よろしく〜」
渡されたのはノート。“瀬見”と書かれているあたり、彼から借りていたのだと思われる。
…まあいい。これで、中に入る口実が出来た。
何食わぬ顔で体育館の中に入り、資料で見た瀬見英太らしき人に声をかける。
A「瀬見君、これ佐藤君が渡しといてだってー」
瀬見「えっ、わ、ちょ入ってくんなよ危ないから！…あ、サンキュ」
対人パス練習の合間の休憩中なのだろうか、息を切らして仰向けに寝転がっていたところを上から覗き込んだ。
目に見えて動揺している瀬見にノートを渡す。
隣のコートではスパイクの練習中だ。ボールが床に叩きつけられる音がしきりに響いている。
そのなかでも特に鋭く重い音がした。
振り替えると、資料で見た絶対エースの顔と一致。
＿あれがウシワカか。
後ろに居る中也が目を光らせた。
天童「英太くんだーれー？カノジョ？」
瀬見「は！？莫迦変なこと云うな！…あれ、
そういえば君、どっかで会ったっけ…？」
A「え、」
えーと、と言葉に詰まってしまう。中也に視線で助けを求めるが、苦笑い。…は？笑ってんじゃねえよイケメンか。
天童「英太くん酷いヨー、ほらほら思い出して、」
瀬見「え、ごめん、でも本当に＿
＿っ危ない！」
A「え」
靴下のまま入った為、滑ってバランスを崩したAの体は隣のコートに躍り出た。
彼の顔面を狙うようにして入ってきたのが、
ウシワカのスパイクだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 190人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蟹江(プロフ) - あまねさん» ありがとうございます(o；д；)oｳﾜｧｱ((深夜で頭沸いてますゴメンナサイ (2020年8月25日 0時) (
レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
あまね - 完結おめでとうございます(遅い)！この作品文ストの中で一番好きです！！しかもハイキューとのクロスオーバー……面白かったです！！こんな素敵な作品をありがとうございました！ (2020年8月24日 21時) (レス) id: 138e71a309 (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - 花蓮さん» 最後まで読んでくださりありがとうございましたo(*⌒―⌒*)o続編は…無理そうかもです(´ﾍ｀；)稲荷崎方言だからニガテ… (2020年7月24日 15時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - 完結おめでとうございます！！！ずっとこの作品を読むのを毎日の楽しみにしていたので、寂しい気もしますが、嬉しいです。稲荷崎の続編も蟹江さんが良かったら、是非書いて頂きたいです！！これからも更新応援してます。 (2020年7月24日 13時) (レス) id: 65f516d7e9 (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - 鏡月夜紅さん» かけもち作品減らそうと思って無理矢理終わらせましたすみません( ノД`)…続編も書きたいけど余裕がない！気が向いたらまたクロスオーバー書きたいと思ってます(°▽°) (2020年7月19日 11時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蟹江 | 作成日時：2020年4月21日 1時
