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裕「いや、大丈夫っす」
なんかぶっきらぼうな返事の仕方になってしまった。
それでもA先輩は、ふふっと微笑んで、
「その髪、目立つね。いつもダンスしてるの、見える。」
なんて言ってくる。
マジでか!? 僕のこと記憶にあるん!?
ヤバい、これはヤバい!!
龍友くん、知らん間にアピールしてたみたいや、僕!!
飛び上がりたいくらいの気持ちを押さえ、僕はゆっくり起き上がり、ベンチに腰かける。
空いた僕の隣に戸惑いもなく座る彼女。
ふわっと柔らかなバニラの香り。
裕「サボり、すか?」
めちゃくちゃ戸惑いながら何とか絞り出した言葉がこれ。
「苦手なの、人の多いとこ。集会の時はいつも逃げてきちゃう。(๑>ᴗ<๑)」
屈託のない笑顔で話す彼女。
なんちゅぅ可愛らし人や...。
「君は? サボり?」
裕「っす。」
「ふふっ(*´︶`*) 悪い子だ。」
うひゃぁぁぁぁぁ!!!
これは龍友くんやなくても叫び出したくなるわ!!
「ここ、綺麗な空気がたくさん吸える気がしない?
酸欠になったら、ここで深呼吸するの。そしたら少し楽になるんだ。」
裕「しんどいんすか?」
僕が心配になってそう聞くと、
「でも今日は、初めて赤髪くんと話せたからいい気分。ありがと(≧∇≦)」
なんて言いながら目を閉じ2回目の深呼吸。
僕の方こそ大事な時間を邪魔してもうたんやないか? あれ?少し顔青い? と少し不安になる。
でも、その綺麗な横顔をまともに見ることなど出来る訳もなく、僕はただそこに座っていた。
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作者名:柚花 | 作成日時:2019年11月22日 13時