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生きるのも死ぬのも怖いんやったら、とことん生きて、もがいてもがいて、生きまくってやる。A先輩と一緒に。


僕はそう誓った。


16歳、僕はダンスのインストラクターになった。
A先輩は高校卒業後、東京の病院で手術が決まった。
貧乏高校生の僕は、必死でバイト代をため、少しでも、1日でも多くの時間をA先輩と過ごせるよう頑張った。


A先輩の手術は1度では終わらなかった。
何度も何度も怖い思いをして、苦しい、辛い思いをして、それでも必死で前を見ようと、僕らは共に生きていた。
一緒に泣いて一緒に笑って、今しかない時間を懸命に。


高校卒業後、僕はEXPGにスカウトされ、東京に出てきた。
自分の夢を叶えるため全力で踊りながら、大切なAとの時間を1分1秒でも失わないよう、全てに必死だった。僕の夢がひとつ叶う度、僕以上に喜んでくれるAがいた。


そんな僕とAのことを、もちろんメンバーはみんな知っている。
GENEの中で、僕が一途だとか、彼女いるていでいつも隼が話をするのは、このためだ。


僕の隣に今、君はいない。
届け、君に。そう思いながら僕は今日も踊り続ける。
あの人のように、この空に向かって深呼吸すると、いつほんのりと、甘いバニラの香りが僕を包む。


初めて出会った15歳の時のまま、相変わらず今も僕はAに恋をしている。

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作者名:柚花 | 作成日時:2019年11月22日 13時

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