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「「「かんぱーい」」」
グラスのぶつかる音と談笑を楽しむ声が響く。
ドラマの撮影が無事に終わったことを祝した
打ち上げによんでいただいた。
キャストはもちろん、撮影スタッフ、脚本家、
音楽担当、そして原作者まで参加している。
「梨香子ちゃん、大きなったね〜」
『私、瞳さんと同い年じゃないですかw』
何故か、私の隣に座っている瞳。
めんどくさいので、めめさんに助けを求めたいが...
「目黒くん、呑んでる? もっと飲みなよ!!」
目「あはは...(苦笑)」
女子スタッフからロックオンされて
可哀想なことになっている。
この状況は自分で何とかするしかなくって。
「梨香子ちゃん」
急に真剣な表情でこちらを見つめる瞳。
『なんですか?』
「私、もう1回だけでええから、
Aと会って話がしたいねんけど...」
きたか...
『...姉はあのことを思い出したくないみたいで』
「せやんなぁ...」
2人の間で重たい空気が流れる。
先に口を開いたのは瞳だった。
「ウチな、梨香子ちゃんが演じてくれた子
Aをモチーフにして書いたんよ。
Aとの約束守ろうと思って。」
『...瞳さんの小説をお姉ちゃんが演じる、ですよね』
「そう、結局 守れなかったんやけどな...
でも、梨香子ちゃん見てもしかしたらって思ったんよ
もしかしたら、ドラマ見てAから連絡が
あるかもしれんって、やり直せるんちゃうかって。」
『お姉ちゃんは...』
「わかっとるよ。もうAにその気が無いって。
でも、どうしてもやりたかったんよ。
自分で諦めをつけるためやな...
しんみりさせてしもて、かんにんな。
この唐揚げめっちゃ美味しいから食べ?」
ニコリと微笑んだ後、瞳は別の机に移った。
取り分けられた唐揚げを口へ運ぶ。
『冷めちゃったな...』
きっと美味しいのだろうけど、味が感じられない。
流し込むように酒をあおる。
まさか、瞳がまだその約束を覚えてるなんて
思ってもなかった。
苦しげに話す瞳の表情が脳裏にこびりついたまま
時間が過ぎる。
だいぶ酔っていたらしい、気がつくと
幹事が二次会へ行く人を募っていた。
「蓮くん〜!! 二次会行くよね?」
目「あー... 明日、ちょっと早くて...」
「えっ、そうなの!?
いっぱい飲ませちゃってごめんねぇ...
心配だからさ、私、送っていくよ! 」
あの女、あれが目的だったか...
とりあえず、蓮を何とかしないと...
「あの〜...」
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柚葉(プロフ) - コメントありがとうございます。褒めて頂きとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2023年3月24日 21時) (
レス) id: bea541effa (このIDを非表示/違反報告)
りんごチョコポップコーン(プロフ) - 初コメ失礼します！兄の代わりで…という作品はよく見ますが、妹の代わりというのは新鮮で、思わず開いてしまいました！お話もさくさく読めて、その様子がしっかり想像できました！更新、頑張ってください！ (2023年3月24日 19時) (レス) @page7 id: 61d7d12311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚葉 | 作成日時：2023年3月22日 8時
