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『ドラマのオファー?』
朝早く事務所に呼ばれ、佐藤さんから告げられた
ドラマのオファー。
「原作の作者さんがこの役はどうしても
梨香子さんがいいと仰ってるみたいなんです。」
『なるほどね...』
原作はとあるベストセラー小説らしく、
その作者さんがこのキャスティングじゃなければ、
ドラマ化は許可しないと主張しているんだそう。
「Aさんって演技経験ありましたっけ?」
『一応、映画にチョイ役ででたことはあるけど、
アイドル時代はずっと演技だったから。』
正直、私自身の心配はそこまでしていない。
ただ、問題は
『梨香子って未だに演技のお仕事はNGなの?』
「はい...」
梨香子の演技が下手すぎること。
嘘もつけない純粋な私の妹は
心からの感情を表現することには長けているが、
少しでも自分とは違う役を演じようとすると、
目も当てられない大根役者になるのだ。
『もし、私がオファーを受けたとしたら
梨香子が戻ってきたときにNGがだしづらくなる。』
「ただ、どうしてもドラマ化したいということで
結構強めなラブコールが来てるんですよね...」
『うーん...』
なかなか解決しない問題に私も佐藤さんも
頭を悩ませる。
『他のキャストはもう決まってるの?』
「そうみたいです。
相当気合い入れてますよ、このドラマ。」
キャストの欄に書かれた俳優の名前に目を通す。
名優から波に乗ってる俳優まで...
『こりゃ、気合いの入れようが違うな...』
「Aさん、どうします?」
『...これは、やるしかなさそうだね。』
頭の中で梨香子の負担が最低限になるような
シナリオが自分の中で完成したのを確認して、
オファーを受けることにした。
『本当にキャスティングの気合いがすごいな...』
佐藤さんが席を外した後、
もう一度ズラリと並ぶ名前を眺める。
原作は小説のため、それも買っておこうと
スマホで検索をかけた。
『は...?』
そこには若くしてベストセラー作家となった
新進気鋭の小説家の写真が載っていた訳だが。
『こりゃ、これからめんどくさいな...』
その作家は男装アイドル時代に同じグループで
活動していた、山崎瞳 もとい カモミールだった。
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柚葉(プロフ) - コメントありがとうございます。褒めて頂きとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2023年3月24日 21時) (
レス) id: bea541effa (このIDを非表示/違反報告)
りんごチョコポップコーン(プロフ) - 初コメ失礼します！兄の代わりで…という作品はよく見ますが、妹の代わりというのは新鮮で、思わず開いてしまいました！お話もさくさく読めて、その様子がしっかり想像できました！更新、頑張ってください！ (2023年3月24日 19時) (レス) @page7 id: 61d7d12311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚葉 | 作成日時：2023年3月22日 8時
