相対性理論。

失恋。01 ページ2

Your side

瑠奈「私、賢志郎と
結婚することにした。」

久しぶりに実家に帰って
家族でご飯食べてる時に
お姉ちゃんがそう言った。

頭を殴られたみたいな感覚になる。

絶対私の方が長く、深く、
賢ちゃんのこと好きやったのに。

私たちは幼なじみで、
賢ちゃんとお姉ちゃんは
同い年だった。

母「瑠奈、大樹さんのことは、
もういいの？」

お姉ちゃんが婚約していた大樹さんは、
結婚の３ヶ月前に行方をくらませた。

今も連絡が取れへん。

瑠「賢志郎が、
辛い時、側にいてくれたから。」

賢ちゃんは優しいから、
きっと弱って自暴自棄になってく
お姉ちゃんを放って
置けなかったんやと思う。

母「まぁ、賢ちゃんなら、
お母さんは反対はせえへんけど、、」

お姉ちゃんは、弱い。

綺麗で華奢で
小さい頃は身体が弱かったせいもあって、
いつも誰かに守られて
寄っかかって生きてきた。

芸人になるために
早くからひとりで家を飛び出した
私とは間反対。

お姉ちゃんの幸せを
願ってないわけじゃない。

でも、なんでよりによって、
賢ちゃんなんよ。

自分の部屋もなくなってしまった実家で、
ひとりになれる場所もなくて、
家を出て近くの河原に来て座り込む。

長い間、
賢ちゃんに片思いしていた私は
男の人を知らない。

この歳になって、、、

目の前が真っ暗になった。

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