加州清光がいた本丸 ページ9
加州side
見習い「歴史を守って何になるって言うのよ」
その言葉を聞いた瞬間、あの日のことを思い出した。
加州「主〜、見習いさんそろそろ来るよー」
主「ちょっと待って清光。メイクが上手くいかない。やって〜」
加州「普段はメイクなんてしないくせに」
メイク道具を受け取りながら言う。
主「ちょっとはおめかししたいじゃん」
加州「わかるよ。その気持ち」
主「流石オシャレ刀」
加州「ありがと。はい、可愛くなった」
主「おお。スゴい」
加州「当たり前でしょ。ほら早く行くよ」
主「はーい」
朝日「主、めいくってやつした？なんかいつもよりずっと綺麗」
門には近侍の朝日がいた。
主「お、わかる？流石朝日ちゃん。清光がしてくれたんだー」
朝日「器用だね、加州は」
加州「ありがと。あ、見習いさん来たよ」
主「うひぁ、緊張する」
加州「大丈夫だって」
見習い「初めまして審神者様。本日から一週間、よろしくお願いいたします」
主「こ、こちらこそよろしくお願いします！」
その一週間。
たった一週間だけで、みんなは見習い側についた。
最初は見習いからの嫌がらせだけだった。
それからは徐々に刀剣たちが加わっていって、最終的には俺と朝日しか、主の味方する刀剣はいなかった。
ついには、みんなは刀を向けてきた。
加州「ちょっと待ってよ。なんで刀なんか向けてんの？」
薬研「そいつは見習いに暴力ふるってたんだぜ。信じられねぇよ」
朝日「たかが数日吊るんだ人間の方を信じるの？」
小夜「この人は僕たちを大切にしてくれる。そいつみたいにほったらかしにしない」
朝日「ほったらかしにしてない！主はこの本丸のために仕事をしてたんだよ。近侍の私が、一番わかってる」
見習い「私、その人に暴力をふるわれて、まともに研修もさせてもらえなくて」
声を上げて泣き始める見習い。
朝日「っ！うるせぇんだよ！お前！」
一期「朝日、何て口をきく！」
斬りかかる一期。
加州「主、転移門に急いで！」
主「う、うん」
なんでだよ。
主がなにしたっていうんだよ。
俺たちのために一生懸命考えていてくれた主が何でこんな目に合わなくちゃいけないんだよ。
朝日「加州、ここは私が受け持つ。だから主と一緒に逃げて！主を守って！」
門についた辺りでみんなが追い付いてきた。
朝日は重傷で立っているのがやっとの状態だ。
朝日「あんたは、どうして」
見習い「だって地道に刀剣を集めるなんて面倒くさいし、みんなと楽しく暮らしたいし」
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年3月29日 19時
