朝日を拾った日 二 ページ43
主side
主「そんな・・・」
南海「先程、政府の役人が運んでいったよ」
主「朝日は、どうなるんですか？」
長谷部「・・・大方、刀解か政府で働くかになると思います。ですが、見たところこの朝日は極。刀解は政府はしないでしょう」
極が強いことは知ってる。
修行から帰ってきたむつや国俊、鯰尾やばみ、その他たくさんの刀を見ていたらわかる。
南海「うん？これは・・・」
南海先生が見つけたのは、刀の破片。
長谷部「もしかしたら、朝日は、敵の襲撃を受けたのかもしれません。それで、審神者を連れ出し共に逃げた。だが、途中で、審神者は・・・」
皆黙ってしまう。
その沈黙を破ったのは、朝日だった。
朝日「ここ、は・・・？」
長谷部「目が覚めたか」
朝日「長谷部・・・。無事だったの？そうだ。主はっ」
長谷部「いや、俺はお前の知る長谷部ではない。別の本丸の長谷部だ」
朝日「わかった。でも今はどうでもいい。主は？主は無事なの？」
皆、朝日から目をそらしてしまう。
朝日「そん、な。私のせいで。主が、・・・うああああああああっ」
一期「何事です！」
いちが部屋に飛び込んでくる。
朝日が泣き喚いているのを見て、いちは何があったのかを察したらしい。
一期「朝日。落ち着け」
朝日「私のせいだ。私があの本丸にいたから、あんなことに」
一期「まず、お前の本丸に何があったかを知らなければ、私たちはお前を慰めることはできない」
朝日「慰めなんかいらないよ！むしろ責めてよ。私のせいでああなったって。私さえいなければ、主や皆が死ぬことはなかったって！」
一期「私はお前の本丸の一期一振じゃない。何があったのかを知らなければ、私たちはお前になにもしてやることが出来ない」
朝日「・・・襲われたんだよ。刀剣男士に！」
何故、刀剣男士？
謀反があったの？
一期「それが何故、朝日のせいという事になるのかな？」
朝日「私が、他の個体より優れていたから。私さえいなければ・・・」
一期「そんなことはない。そんなに優秀な朝日なら、お前の主も助かっていたんじゃないか？」
朝日「・・・だとしても」
長谷部「ああもういい加減にしろ！優秀だったから何だ！誇ればいいだろう。その優秀さが招いた惨劇だとしても、お前の仲間はお前に随分救われたはずだ！今は別のことを考えろ！仇をとるでも、この先どう生きるかでもいい。だから、優秀なお前を顕現した審神者を自慢しろ！」
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年3月29日 19時
