朝日を拾った日 ページ42
主side
朝日が出陣して１ヶ月。
中々新しい情報が入ってきません・・・。
思わずため息をつくと、
長谷部「朝日のことですか？主」
主「へし・・・。朝日が強いということは知っています。でも、こうも帰りが遅いと」
長谷部「あいつは頑丈です。ちょっとやそっとじゃ折れませんよ。あの日も、そうだったでしょう」
主「はい・・・」
へしが言うあの日は、朝日を拾ったあの日のこと。
一年半前・・・
薬研「大将！大将はいるか！」
歌仙「取り敢えず、政府に連絡を」
加州「札ってあと何枚？」
長谷部「そっと運べよ」
蜻蛉切「ああ」
ドタドタと玄関辺りが騒がしい。
主「薬研！何かあったんですか？」
薬研「あぁ。門前に朝日姉が倒れててな。何かあったのかもしれない」
主「でも、朝日はまだうちの本丸にいませんよね？」
薬研「たぶん別の本丸の朝日姉だ。俺たちが手入れ部屋に運ぶから、大将は部屋で待っててくれ」
主「何でですか？僕がそっちにいって手入れした方が」
薬研「それは・・・」
そういえば、さっきから薬研が僕の前に立ってて門前の様子がわからない。
主「まだ、何かあるんですね」
薬研「大将は見なくていい」
主「でも」
一期「主。朝日を部屋に運び終わりました」
薬研「大将。朝日姉のとこ行って、怪我を治してきてくれ」
主「・・・わかりました」
手入れ部屋に行くと、ボロボロの朝日がいた。
長谷部がそばに控えていた。
主「手伝い札はどのくらいありますか？」
長谷部「三十枚ほど」
主「充分ですね」
朝日は至るところを怪我していて、折れるのは時間の問題だった。
主「手入れ、開始します」
みるみる怪我が塞がっていく。
でも・・・。
主「傷痕が、消えない・・・！」
長谷部「主！それ以上は主のお体が持ちません！傷は塞がりました。一旦手入れをやめましょう」
主「わかりました。南海先生を呼んできてください。何かわかるかもしれません」
南海「成る程。手入れで傷は塞がったが、傷痕が消えないと」
主「はい」
南海「朝日くんが治すことを拒否しているのか、主の霊力がまだ体に馴染んでいないかの二択だね」
長谷部「主の霊力が体に馴染まないとなると、長くここにあるようだな」
南海「門前で共に倒れていた彼女が、朝日くんの主だろう。幼い頃から審神者をやっていたようだね」
主「もう一人、倒れていたんですか？その人は・・・」
長谷部が頭を横に振る。
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年3月29日 19時
