待ち時間 弐 ページ27
朝日side
髭切「じゃあ久明親王がどんな人だったか、聞かせてほしいな」
朝日「別にいいけど」
どんな人だったかな。
何処か自信なさげで、頼りなくて。
近くで見ててもあまり聡明という感じではなかったし、もう正に北条や家臣の言いなりって感じで。
朝日「あまり、将軍に向いた人ではなかったかな」
膝丸「絶対に色んな説明を省いただろ」
朝日「めんどくさかったので」
髭切「他にはどんな主がいたんだっけ？」
朝日「北条、足利、織田、豊臣、黒田・・・。色んなところを転々として来たわけだ」
髭切「今の主は好き？」
その質問に膝丸がハッとしたのがわかった。
朝日「・・・悪くはないと思ってる」
膝丸「ふっ。そうか」
髭切「おぉー。随分と上から目線」
髭切「そういや主がきみに渡したいものがあるって言ってたよ」
朝日「あー。じゃあ帰り際に聞いてみるか」
そこから少し時間が経って主が部屋に入ってきた。
心なしかイキイキしている。
主「今日は先生に永禄の変を習いました」
早速先生呼び。
ほんでもって後ろの教師の気持ち悪い砕けた顔。
楢葉「やっぱ小さい子って癒されるよねぇー」
毛利と分かち合えそうだね。
いやもう既に分かち合ってたな。
数年前遊びに来たとき熱く語り合ってた。
楢葉「そうそう。朝日これどーぞ」
朝日「何これ」
楢葉が渡してきたのは箱だった。
少し土汚れている。
楢葉「昔埋めたタイムカプセル。俺が楢華の分も埋めてたんだ」
朝日「主の・・・」
楢葉「本丸帰ってから開けろよ」
朝日「わかってるって」
主「それじゃまた来ます」
楢葉「おー。待ってるぞ」
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年3月29日 19時
