ブラック本丸潰しの朝日さん (ページ20)

今日:40 hit、昨日:27 hit、合計:13,508 hit

強くなりたいページ20

朝日side
加州「あれ、三日月？」
三日月「襲撃され話を聞けそうにない状態だったのでな。また一週間後行くことになった」
加州「そっか」
太鼓鐘「しっかし、他の本丸を審神者が襲撃するなんて聞いたことないぞ」
蛍丸「あったのかもしれないけど極秘情報として閲覧出来ないようになっているか、だね」
日向「襲撃の理由は何だろう」
朝日「大方彼処の本丸に優秀な刀剣男士がいたんでしょ。そして襲撃した本丸の審神者がその刀剣男士を欲しがった」
日向「朝日さんよく知ってるね」
朝日「・・・だって、私がそうだったから」
日向「え？」
朝日「少年が待ってる。帰るね」

主「朝日！」
朝日「ただいま」
主「これ、陸奥から貰ったんです」
少年が見せてきたのは、カメラだった。
主「ここでの思い出を残せるようにって」
そう言えば、主もよく写真撮ってたなぁ。
私たちの写真とか、花の写真とか色々。
私たちが主を撮ったこともあったっけ。
たしか、主が学校を卒業したときとか、運動会の時とか。
今になって思う。
主にとって私たちはきっと、家族のような存在だったんだろうなって。
主とは二十年来の付き合いだった。
沢山一緒に笑って泣いた。
朝日「少年、カメラ貸して」
主「はい」
カメラを受け取る。
そして、少年を撮る。
朝日「きみは、私が、私たちが守るから」
主「は、はい」

主side
朝日が優しい顔をする時はきっと、前の本丸を思い出しているんだと思う。
カメラを見せたときだって、朝日の目は、カメラじゃない何かを見てた。
そして朝日は「きみは、私が、私たちが守るから」と言った。
きっと朝日は守れなかったんだ。
大切な人たちを。
僕も強くらならくちゃ。
みんなが悲しい思いをしないで済むように。
僕は人間だ。
みんなは刀の付喪神。
どちらが長生きするかと考えた。
考えるまでもなかった。
みんなだ。
僕は人間。
いずれ寿命がくる。
でも寿命がくる前に死んじゃいけない。
みんなが悲しむから。
だから僕も強くなりたい。