助けられた ページ12
太鼓鐘side
朝日「ん？簡単だよ。乗っ取り返せばいい」
三日月「そんな事で良いのか」
そんな事で良いのかよ。
だったら、俺のいた本丸はあんなことにはならなかった。
もっと早く、その方法を知りたかったな。
そっと、懐にある御守りを触る。
前の本丸で主から貰った御守り。
中には、貞宗の兄弟、伽羅、みっちゃん、鶴さんの欠片が入ってる。
日向「太鼓鐘、大丈夫？」
ヒソヒソと日向が聞いてくる。
太鼓鐘「ん？ああ。大丈夫だ。今更後悔したって、何も出来やしない」
日向「そうだね。良かった、いつもの太鼓鐘だ。朝日さんの話聞いて、ちょっと怖い顔してたから」
太鼓鐘「ごめん。気を使わせて」
日向「ううん。仲間だよ。そんな風に思わない」
仲間、か。
俺にも新しく、仲間が出来たんだな・・・。
朝日side
朝日「乗っ取り返すなら、今が絶好のチャンスだと思うな。今はみんなに広間でちょっと眠って貰ってるから」
加州「半ば強制的に、ね」
朝日「おいコラ加州。言わないでよ」
審神者「今すぐやりましょう」
朝日「いいよ。ね、三日月」
三日月「うむ」
朝日「まず短刀からしていくと良いよ。短刀は夜戦にも強いし、室内戦にも強い。何より機動が圧倒的に有利だから、もし途中で中断することになっても大丈夫だと思う。もしものために打刀数振りは此方の陣営に欲しいね」
蛍丸「流石黒田官兵衛の刀」
三日月「うむ。よくわかっている」
山姥切「主、出来るか？」
審神者「うん。朝日ちゃんと約束したから。必ず、全員助けるって」
山姥切「主・・・」
博多「善は急げたい。はよみんなを取り戻しに行かな」
日向「朝日さんとどんな約束をしたの？」
審神者「朝日ちゃんがいち早く乗っ取りに気付いて、間者として見習い側の方にいたの。でも、気付かれたみたいで、単騎で阿津賀志山に出陣することになって、そのときに『私が折れても挫けずに、前を向いて、この状況を打開する策を作って』って。朝日ちゃんなりの気遣いだったんだろうね」
加州「流石、黒田官兵衛の刀だ。やるべきことがわかってる」
朝日「じゃ、早く仲間を取り戻さないとね」
朝日「準備はいい？」
審神者「はい」
朝日「この本丸全体に霊力を張り巡らすみたいな感じで霊力を広げていって。あの程度の見習いの霊力なら、それぐらいで術は解けるはず」
審神者「わかりました」
乱「ん、あ、主さん？」
主「乱！」
乱「っ！ごめんなさい、ボク」
主「いいよ。こうやって無事に戻って来てくれただけで十分だよ」
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年3月29日 19時
