10 甘い夜 ページ10
「…ん……ふぅ…んん…」
止めないで、とか…
ただでさえ興奮してるのに、無意識に煽られたせいでキスも一気に深くなる。
もっと欲しい。
頭が沸騰して理性を失うほどにAを乱したい。
淫らに喘ぐAが見たい。
「…ん…さと…んん…んぅ…ふぁ…悟さま…ッ」
貪るような深い口づけの途中、ほんの僅かな隙間で名前を呼ばれ、仕方なく唇を放した。
「…なに…?」
「…待って…もっと、ゆっくり…ッ」
俺の腕の中、息も絶え絶えの涙目。
縋って必死に訴えてくる様子が、堪らなく扇情的で脳が揺らぐ。
あぁ…やば…俺がっつきすぎじゃん。かっこ悪…
落ち着け…冷静になれ…
「悪い…お前、初めてなのに…」
「…うっ…この歳になっても経験ないとか…面倒くさくて引く…よね…」
「なんで? 俺が初めてとか、すげぇ嬉しいんだけど」
「…ほんと…?」
「ほんと。浮かれまくって、今めちゃくちゃ幸せ噛みしめてる」
「…なら、良かった…」
ほっ…と頬を緩めて息をついたAを見下ろし、昂る意識を宥める。
あー……無理。可愛すぎてもみくちゃにしてぇ…
けどさっきみたいに、こういう仕草にうっかりペース乱されて、初めてのAの心に負担かけたり恐怖を植え付けるのはダメだ。
俺だって、Aとの『初めて』を大切にしたい。
「Aは何もしなくていい。俺がこれから色んなところ触って、唇以外にも沢山キスするけど、Aは素直に反応するだけでいいから。OK?」
コクン…と頷くAに、愛しさが膨らんでいく。
Aを抱き上げて俺の寝室に場所を移し、ベッドにそっと押し倒した。
Aは緊張で身体を強張らせて涙目で、その様相すらも加虐心を色めき立たせてくるから、自然と口角が上がってしまう。
「もう少し力抜け」
「…でも…痛いのは怖くて…」
「あぁー…それは我慢してもらうしか……けど、出来るだけ痛くねぇようにするから」
「悟さま…」
震えて縋る声音。
早く“さま”なんて取っ払って、呼び捨てで呼んで欲しい。
ま、そんなのも、何回か身体を重ねて繋がることで無くなるだろ。
そんな事を考えながら、ゆったりと温もりを伝え合うキスを交わし、Aの強張りを解いていく。
頬に添えていた手を滑らせて、Aの柔肌を求めて乱した服の下に手のひらを這わせる。
「…んっ…ぁ…」
重なった唇の隙間から漏れる小さな喘ぎが、一瞬で部分的に熱を集中させた。
ずっと触りたくてうずうずしていた柔らかな膨らみに辿り着き、僅かに指を沈めて先端を指先で軽く弾いたら、
「…やんッ…」
愛らしい鳴き声を上げて、Aの身体が微かに跳ねた。
*
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作者名:ゆずあ | 作成日時:2023年12月24日 18時