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4 指南 ページ4

傑くんには私が未経験だとバレたけれど、抱えている問題はそれだけじゃない。

私が困っているのは…



──…

『──ということで。貴女は悟様より5歳も上なのですから、行為のリードをするのは当たり前。悟様には充分にご満足いただけるよう、しっかりと尽くすのですよ』

『それはッ……はい……』


常に高すぎるハードルを突きつけられる、五条家の花嫁修行ならぬ『ご正室修行』は、五条家に戻って1ヶ月後に通達が届いた。

着物の着付けに始まり、和装での歩き方と姿勢、言葉遣い、会話の運び方、表情の作り方、挨拶の仕方に食事の所作…etc.

その中には子作りの指南もあり、あられもないアレコレを経験もないのに教えられる始末。

特に、口に含んでの諸々は聞くに堪えなかった。恥ずかしすぎて。

世の中の恋人達って、本当にソンナコトしてるの…? という疑問しかない。

積極的になんて到底出来ないと確信したから、

『それは無理です』

と言いたかったけれど、顔を上げた先で指南役の先生から有無を言わせない鋭い視線を浴び、目に見えない圧で続く言葉をすべて撃ち抜かれた私は『はい…』と小さく答えるしかなかった。

歳上だからリード…

いやいや、無理でしょ。

経験があるならまだしも、初めてなんだよ!?

悟さまの方が経験豊富だよ絶対。

高専ではどうか知らないけど、間違いなく悟さまは中学3年の頃、女の子と遊びまくっていた。

帰りが遅くて捜しに出た街中で、女の子数人に囲まれながら歩いている姿を何度も目撃したもの。

歳上の逆ナンしてきた女子高生達に、そういう行為を教えてもらって、興味津々なお年頃だし、そりゃもうやりまくっていたはず。

悟さまの匂いとは違う香りをぷんぷんさせて帰って来た日は数えきれないほどだったし、あの脳が蕩けてしまう甘いキスは、きっとその頃に覚えた経験数の賜物だと思う。



…──

「──だからね、私がリードするなんて無理ゲーもいいとこだし、困ってて……悟さまとするのが嫌という訳じゃないの…」

「なるほど…」


デザートのティラミスを少しずつスプーンで口に運びながら、悟さまからの“お誘い”をお断りしている顛末を吐露した。

静かに最後まで聞いてくれた傑くんは、一言溢すと少し考え込んでしまったので沈黙が流れる。

俯き加減で上目に傑くんの様子を窺うと、5口くらいで食べ終えたティラミスのお皿にスプーンを置いて、妖しげに口角を上げた。

あ、なんか嫌な予感…

好青年に見せかけて中身は悪魔のような彼のことだ。

楽しい企みを思いついたような…


「練習してみる? 私と」

「!?」


やっぱり! ろくなこと考えてなかった!!


*

5 言い争い→←3 悪魔の微笑み



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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 夏油傑   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ゆずあ | 作成日時:2023年12月24日 18時

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