11 悪友の言い分 ページ11
Aと甘い夜を過ごして、俺のベッドで一緒に朝を迎えた。
ふにふにと柔らかいAの身体を抱きしめて目をつぶったら、凄ぇ良く眠れた気がする。
Aの甘い匂いがアロマみたいにリラックスさせてくれたのが大きい。
いつになく頭がスッキリしていて、身体も軽い。
いや、それは溜まってたもんを出したからか。
お約束…朝のベッドでイチャイチャして、恥ずかしがるAと、艶めいたAを堪能してから登校した。
教室の自席について、Aの柔肌に触れた手のひらを見つめる。
その時の感触と温もり、Aの艶顔が蘇って脳裏に焼き付いた。
「Aが可愛すぎて辛い」
思わず漏れた俺の呟きに、隣に座る優等生を
「なに? 私への当てつけ? それとも単純に
「いや、自慢」
「一番タチが悪いよ」
昨夜の乱れたAを思い浮かべたら、身体が火照り始めた。
やば…思い出しただけで下に熱が廻ってきて、このままだと恥ずかしい状態に…
「良かったね悟。念願叶って結ばれて」
「まだ途中」
「ん?」
「ちゃんとはやってねぇ…まだ慣らし中」
「へぇ…君にしては随分と慎重だね。初めての相手にも気を遣わず、自分勝手にぶち込んでたのに」
「うるせぇ…」
Aの気持ちも身体も大切にしたいんだよ俺は。
つーか、傑が言ったんだろうが。
女は初めてを捧げるのに、男の数倍、勇気がいるって。
「Aさんは凄いなぁ…」
「何が?」
「悟を一人前の“人間”に育ててくれる」
「傑…俺を何だと思ってんだよ」
「精神年齢5歳の17歳児」
「俺はもう大人だ!!」
「…ははっ…それのどこが」
おどけた親友の冗談でも、図星をつかれてガキみてぇなことしか言い返せねぇ。
分かってる。傑が言うように、俺をまともな人間にしたのはAの影響が絶大だ。
Aを取り戻すために使用人を借り出して奔走し、それがバレて五条家当主である父親にも苦言を呈された。
『護りたい大切な者がいるなら、名門御三家である五条家当主としての責任を果たした上で、自分の
大人として
「来年の夏には家督を継ぐ。いつまでもガキじゃいられねぇんだよ」
「真面目に勉強してるよね、悟にしては」
「やる時はやるんだよ俺は。…傑。協力しろよ」
「ご当主さまに頼られるとは…恐悦至極に存じます」
「お前、やっぱバカにしてんだろ」
「滅相もございません」
悪ふざけを続ける親友の脇腹に、軽いパンチを食らわした。
*
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作者名:ゆずあ | 作成日時:2023年12月24日 18時