40 カフェ⇒ゲーセン ページ40
デートって、二人で楽しむものなんだ。
カフェで軽食を食べてお茶した後、憂太が行ったことないと言うゲームセンターに来てそう実感した。
色々なゲームをやってみたけど、一番楽しかったのは意外にも、昔からあるらしいワニワニパニック。
憂太がことごとく、ワニの頭が引っ込むタイミングで叩いたり、出てきてないのに叩いたりと、珍妙なプレイを繰り広げている。
「あれ? あれ!? 叩けない…」
ゲームの思うツボ過ぎて、息できないくらい笑った。
呪霊を祓うのはタイミング外さないのに、なんでワニ叩けないの…笑
「なんで当たらないんだろう…?」
心底、不思議そうに手に持っているハンマーを見つめている憂太…天然か。
「絶対ハンマーのせいじゃないから! 憂太は叩くタイミング、ずれてるんだよ。見てて?」
憂太からハンマーを受け取り、今度は私の番。
出てくるワニを撃破。取りこぼしは数回。
得意でも上手いわけでもないけれど、憂太よりは全然いい。
「Aちゃん凄い!」
ふにゃりとした笑顔で盛大に拍手する憂太のせいで、ちょっとだけ周囲から注目を集めてしまった。
ワニワニパニックで周りの視線を集めるのは恥ずかしいから止めて!
「憂太、次行こう次!」
「え、う、うん」
強引に憂太の腕を引いて、ワニワニパニックに背中を向けた。
歩いた先に、
「あ、僕これやってみたかったんだぁ」
気がつけばクレーンゲームコーナー。
何かのスイッチが入った憂太が、率先してクレーンゲームに挑戦するという。
「Aちゃん、欲しいのある?」
「うーん…じゃあこれ!」
リクエストされたから、とりあえず目についた可愛いパンダのぬいぐるみがディスプレイされたクレーンゲームを選んだ。
けれど、さっきのワニの件があるから、取れるなんてまったく期待してな――
「――取れたぁ!」
「え、ウソ…」
3回目のチャレンジでパンダのぬいぐるみをゲットした憂太。
満面の笑みで手にしたぬいぐるみを私に差し出した。
「はい、あげる♪」
「ありがとう…」
憂太の周りに『♪』が沢山飛んでる…
めちゃくちゃ楽しそうで…可愛い…
その後もクレーンゲームにドはまりした憂太は、次から次へと景品をゲットし…
二人でも持ちきれない量になってしまった。
「さすがに多すぎだね…」
「うん、袋もらおうか」
お店の人に声をかけ、持ってきてもらった袋に収めた戦利品を私へと差し出した店員さん。
それを憂太が横から手を伸ばしてサラッと持ち、収まり切らなかったパンダのぬいぐるみだけは、私が手に持って街を歩いた。
*
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作者名:ゆずあ | 作成日時:2022年3月6日 22時