《完結》眩しい闇の世界で１【呪術廻戦／乙骨憂太】 (ページ14)

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14 普通にモテるページ14

「彼女っている～？」
「どんな子がタイプ？」
「この制服って、どこの？見たことなぁい」
「どうして長い棒持ち歩いてるのぉ？」
「ポッキー好き？食べる？」

「あー…えっと、一人ずつ順番に、いいかな…？」

朝、一番最初に憂太に『おはよう』を言おうと思って教室に入ると、憂太の席の周りに女子が数人群がっていた。

今近づいたら、確実にあの子達の視線がビーム化して焼き殺される…

正統派の爽やか男子高校生は、普通にモテるのだ。

憂太は背も高いしビジュアルは悪くない。

けれど憂太は、それだけではなかった。

私が校内を案内している間だけでも、やたらスマートに周りの女子を助けていた事を思い出す。

①
大きな段ボールに教材を詰めて運んでいた二人の女子生徒を見つければ『どこに運ぶの？』と声をかけるのと同時に段ボールを軽々と持ち上げ、指示された教室へと運んだ。

②
職員室からクラス分のノートやプリントを持ち運んでいる途中、何もないところで躓いて廊下に全て盛大にぶちまけた女子生徒には、『大丈夫！？怪我してない！？』とすぐに駆け寄って手を取り、何よりもまず女子生徒を心配した。

③
ロッカーの上の荷物を取ろうと、指先で少しずつずらしていた女子生徒をいち早く見つけ、『危ないよ。僕が取るから待ってて』と、荷物を下ろしてあげていた。

そんな訳で昨日の今日とはいえ、他のクラスにも憂太の噂は広まったらしい。

女子の情報伝達力は光の速さ。

白い制服は目立つしね。

「ねぇ、今日一緒に遊びに行かない？」
「あ！ずるぅい！私も行く！」
「私も～部活はサボる！」
「サボりはダメでしょー」

「お誘いは嬉しいんだけど、ごめんね…放課後は用事があるから…」

「「「ええぇぇ～～！？」」」

大ブーイングがハモった。

憂太、困ってるなぁ…

そろそろ助けた方がいいかな。

「おはよう、憂太」

「あ、Aちゃん、おはよう！」

女子生徒達に攻撃される覚悟で一言声をかけると、助かったとばかりに安堵の表情を浮かべて微笑んだ憂太。

ま、眩しすぎるんですが…ッ

懐いた子犬みたいに尻尾をブンブン振ってる気がする…

「ごめんね、みんな。放課後は毎日、私と約束あるから…ね、憂太」

「え、あ、うん…そうなんだ。ごめんね」

「え…まさか…もう付き合ってるの…？」

「は…？」

「違う違う！先生に頼まれたの。授業の進み具合の調整をしてやれって。隣の席だからってだけでね」

「あぁ、そういう事…」

何とか納得してくれたらしく、始業のチャイムが鳴り、女子達はパタパタと教室を後にした。

*