23 悪い夢 ページ23
──『俺を殺しにかかってるのか？』
一瞬、すべてを見透かされたのかと、生きた心地がしなかった。
けれど、宿儺さまの
宿儺さまは本当にお優しいのだ。
後ろ暗い私を無償で信じてくださっている。
宿儺さまは何も仰らなかったけれど、先日の遠出は私を慰める手段のひとつだということは分かっていた。
沈んだ心を
そして、惜しみなく愛を注いでくれる。
本当に慈愛深く、素敵な殿方…
そんな宿儺さまを私は裏切っている。
この事実はどんなに繕ったところで、消え去る代物ではない。
けれど…
「A、力を抜け」
「…ぁ…」
巡る思考で無意識に身体を強張らせていたらしい。
宿儺さまの言葉に従って身体を弛緩すると、持ち上げられた両足の間に、腰が震えるほどの強い快楽を与えられた。
どうか今日も、私の意識が飛ぶまで愛して欲しい。
強く、激しく。
私の罪に、余程の罰を与えるように。
そのたびに、私は…
宿儺さまに溺れ、堕ちていく──…
＊
Aが胸の奥に秘め隠している事、密かに思い悩んでいる事が何かは、まるで察しがつかん。
だが俺は、それらすべてを忘れさせ、取り除いてやりたいと思っている。
夜の
その
俺の隣にいるだけで幸福を得られるように…
常に、そう願っていた──
それなのに、今ある目の前のこの光景は何だというのだ。
残虐の限りを尽くされた、愛しいひとの残骸。
辺り一面に散らばり赤く染めている肉片の数々が、俺の愛した結果だと……？
「…そんなわけが…あるか…」
これは悪い夢だ。
『愛』とは、この世の中で最上級に美しく、何を差し置いても
目が覚めれば、俺の隣には愛らしいお前が寝息をたてて眠っているはずだ。
そうでなければ、俺の人外の強さは一体何のための力だと言うのか…
大切な者を護れずに、何が最強の呪術師だ。
『愛してる』と言えるのだ──…
.
.
.
.
「───！」
*
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ゆずあ(プロフ) - ねかあさん» ご愛読ありがとうございます！このようなマイナーな作品を気に入っていただけたようで嬉しいです(*>∀<*)♪このお話の恋の行方は悲しいものと決まっていますが、最後まで見届けていただけると幸いです。 (11月2日 7時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
ねかあ(プロフ) - うわわわわああああ！！すききききききいいいい！ありがとうございます。こんなに良い作品を (10月31日 22時) (レス) @page15 id: 705b80bf73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずあ | 作成日時：2023年3月18日 11時
