19 慰めの夜 ページ19
それから暫くは毎夜、考えうる限り優しく、Aを慰めるように抱いた。
Aは恥じらいながらも俺を求め、受け入れた。
褥に組み敷いて、柔肌に唇を這わせる。
どこに触れても柔らかい、白く滑らかな肌。
心地良い体温。
艶めいた吐息に、官能的な甘い匂い。
そして、
胸をくすぐる、子猫のように愛らしい鳴き声…
──ﾁｭ…
「…ﾝ…」
──ﾁｭﾙ…
「…ぁ…」
──ﾁｩ…
「やぁ…ッ…宿儺さまぁ…」
「あまり可愛い声で呼ぶな。優しく出来なくなる」
切な気に潤む瞳に、
なんと扇情的なことか。
誘われるまま緩く幾度か唇を啄んでから塞ぎ
濡れた互いの温もりが混ざり合う。
どちらの鼓動か分からなくなるほど肌を重ね
奥深くまで繋がって…
脳が焼き切れそうなほど、
やはり、全てが極上の女。
夜ごと、淫らに溺れていくAが可愛くて愛しくて…
『くだらん』と思っていた強く甘ったるい想いに囚われ、正気を保てず気が触れそうだった。
＊
宿儺さまに怪我を追わせてしまった。
盗賊の類いならば、宿儺さまは応戦するとは思っていた。
けれど、私を賊から取り返し庇うなど…
私は…まるで宿儺さまを理解できていない。
どのような責めも受け入れる覚悟を決め、真実を告げようと何度も口を開いた。
それなのに、このような騒ぎを招いてしまった責と、私のために怪我を追わせてしまった申し訳なさで、謝罪の言葉ばかりが零れ落ちる。
そんな私を宿儺さまはそっと…
大切な宝物を胸に抱くように、ゆっくりと温もりの中に包み込んで慰めてくれた。
大きな暖かい手に背を撫でられ、ざわついていた心が少しずつ凪いでいく。
宿儺さまの匂い、体温。
とても落ち着く。
ずっとこの腕の中に包まれて抱きしめられていたい。
私からも宿儺さまの胸にしがみつき頬を擦り寄せ、私のすべてを宿儺さまに委ねた。
宿儺さまの広い寝所。
豪奢な帳の内側に優しく寝かされて、大きな影が覆い被さる。
敏感な肌を愛撫しては身体を重ね、受け入れた奥で繋がって…
宿儺さまが私を慰めてくださっていることが伝わって、胸が一杯になる。
私はやはり、宿儺さまを傷つけることはしたくない。
このまま愛し愛されて天命を全うしたい。
そして私が、宿儺さまをお幸せに…
激しく揺らされながらも、私に口づける宿儺さまの首に両腕を回して、私からも宿儺さまを求めた。
*
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ゆずあ(プロフ) - ねかあさん» ご愛読ありがとうございます！このようなマイナーな作品を気に入っていただけたようで嬉しいです(*>∀<*)♪このお話の恋の行方は悲しいものと決まっていますが、最後まで見届けていただけると幸いです。 (11月2日 7時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
ねかあ(プロフ) - うわわわわああああ！！すききききききいいいい！ありがとうございます。こんなに良い作品を (10月31日 22時) (レス) @page15 id: 705b80bf73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずあ | 作成日時：2023年3月18日 11時
