53 特別 〜過去編��〜 ページ4
「生徒なんだから」
その言葉に想像以上に傷ついた。
止まったかと思うほど、一瞬ギュッと心臓が収縮した。
“大切な”と付いていた事が唯一救いになったけど、私以外の生徒に対してもそうなのだと考えると、やっぱり胸が痛い。
だって…
私を助けに来てくれた時の五条先生は酷く焦って取り乱していたし、私を見つけた瞬間、安堵と共に泣きそうな表情を浮かべた。
だから、どこか期待していたんだ。
五条先生も私の事を『特別』だと想ってくれているって…
でも、五条先生にとって私はあくまで“生徒”で、その域は越えていないらしい。
それがはっきりとした言葉で返されて、向ける笑顔も不自然にひきつりそうだった。
五条先生も微笑んでいたから、私のおこがましい想いは何とか誤魔化せたんだと思う。
というか、気づいていない、が正解かな。
五条先生、そういうの全然気づかなそうだし。
「僕これから任務だからもう行くよ」
「はい、お気をつけて」
「お土産、買ってきてあげるから、ちゃんと部屋で安静にしてるんだよ」
「はい、先生」
私の答えに口元を綻ばせた五条先生。
そっと伸ばした大きな手で私の頭を温もりで包み撫で、最後にポンポンと数回弾ませた。
このタイミングで頭なでなでとか、サングラス姿がかっこいいとか…ほんと、ずるい。
その上、言いつけをちゃんと守らなきゃって思っちゃう私はもう、五条先生の虜、確定。
.
寮の自室に戻り着替えると、五条先生に言われた通りベッドに直行し…
「私…どんどん欲張りになってるかも…」
もぞもぞと布団に入り、膝を抱えて呟いた。
最初は顔を見て言葉を交わすだけで満足だった。
でも、五条先生を知れば知るほど好きになって、後戻りなんて出来ない。
五条先生に触れたいと思うし、触れて欲しいとも思う。
頼もしい腕の中に囲って抱きしめて欲しいし、次から次へと新しい言葉も欲しくなる。
「何これ、重症じゃん…」
バカみたい。絶対に叶わない想いなのに。
私はいつも五条先生に助けてもらうばっかりで、私が五条先生にしてあげられる事なんてひとつもない。
それなのに『ずっと傍に居たい』『隣に居て欲しい』と思うなんて…
おこがましいにも程がある。
「これ以上、迷惑かけないようにしなきゃ…」
たとえ呪術師としての実力はなくても、問題児にだけはなりたくない。
そう固く決意したのに…
.
「どうして…？」
任務で術式を行使、呪具の
せり上がる悪寒と共に、背後に異様に大きな呪力を感じて振り返った。
*
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うさぎのおもち(プロフ) - ゆずあさん» ゆずあさんコメントへのお返事ありがとうございます。本当に素晴らしかったです。同じ思いで嬉しいです笑千年の恋の方も読ませて頂いています！是非最後まで読ませていただきます！( ߹꒳߹ ) (11月28日 22時) (
レス) id: 2be3f74d8b (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - うさぎのおもちさん» 熱いコメント＆感動＆号泣！こちらこそありがとうございます！(*T▽T*) 実は私も陰ながら宿儺との未来を応援していました笑 なので宿儺との物語は『千年の恋』で、思いつくまま気が済むまで書こうと決めています。見届けていただけると嬉しいです(*>∀<*)♪ (11月27日 23時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
うさぎのおもち(プロフ) - 宿儺と主人公を応援してたのでめちゃくちゃ読んでてしんどかった(泣)めちゃくちゃ号泣して頭痛いです笑また宿儺と出会って結ばれて欲しいです泣ほんとに素晴らしいお話読ませていただきました。次の作品も楽しみにしています。本当にありがとうございます (11月27日 22時) (レス) @page49 id: 4b465d9ef7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - みぃさん» 早速のコメントありがとうございます！頭の中でごちゃごちゃしている物語を整理しながら、ご期待に沿えるよう焦らず更新していきます！♪(/ω＼*) (2021年12月17日 6時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！この先の展開がとても気になります！更新楽しみにしてますね♪(◍•ᴗ•◍) (2021年12月17日 2時) (レス) id: c397bf8382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずあ | 作成日時：2021年12月16日 19時
