48 必ず受け止めろ〈虎杖side〉 ページ48
「あの時…グラウンドで悠仁が宿儺に身体を乗っ取られて、Aに迫っていた時ね」
「うん…」
五条先生の話で、Aさんとのキスの思い出が蘇る。
Aさんをより好きになった瞬間だ。
「なんかさ…Aと宿儺の間には、僕が入り込めない二人だけの世界がある気がしたんだよね」
「入り込めない世界…？」
「そ。だから焦った。このままだと本当に、Aを宿儺に奪われるって…」
「先生でも焦ることあるんだね」
「まあ…ね。でも悔しいことに結局、まんまと奪われちゃった…」
そう言って自嘲の笑みを溢した先生は、サングラスをかけ直した。
「だけど良く考えてみたら、Aがそれで幸せなら問題ないじゃない？ その場合、連れ戻す僕達の方が悪になる」
「それは…そうだけど…」
納得できないのは、俺がまだガキだからか…？
五条先生の言ってることは理解できるけど、間違っているとも思う。
「だから、少し様子を見ようかなって思ってさ。本当は今すぐにでも連れ戻しに行きたいけどね」
「先生、俺もう一回──」
『──おい小僧。あぁ…面倒な術師も一緒だな。好都合だ』
「え、宿儺！？」
突然、今まで静かだった宿儺の声が聴こえ、気配が濃くなった。
と感じた瞬間、頬に口が現れすぐに喋り出す。
『緊急事態だ、やむを得ん』
「突然何だよ宿儺！ 今まで何してたんだよ！」
『小僧は黙っていろ。おい、目隠し術師！ お前にAを預ける』
「え、僕！？」
『そうだ。だが、勘違いするなよ。一時的な話だ』
「ふむ。宿儺に頼られちゃ断れないね」
『頼ってなどいない。とにかく、必ず受け止めろ』
「ん？ 受け止める…？」
首を傾げた俺と違って、五条先生は余裕の笑みを口の端に浮かべ、両手を広げていた。
ちょうどその上に、白い
「Aさん！？」
着物姿のAさんが徐々に現れた。
暫し宙を浮遊した後、ふっと靄が消えるとともに、Aさんの身体は突如重力に従った。
その弛緩した身体を、五条先生がしっかりと抱き止める。
「おかえり、A」
先生はそう言って微笑み、俺が隣に居るのに…いやむしろ見せつけるように、眠っているAさんの唇にキスを落とした。
役得かよ！ ずっるい！
宿儺の野郎、何で俺じゃなくて五条先生に…
…って、当たり前か。
Aさんは五条先生が好きなんだ。
それを宿儺も分かってるって事だろう。
「Aさん、平気だよね？」
「うん。多分眠ってるだけ」
深く息を吐いた五条先生は「目覚めるかは微妙だけど…」と、語尾に付け足した。
*
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ゆずあ(プロフ) - みぃさん» ご愛読ありがとうございます！続編を楽しみにしていただけて嬉しいです(’-’*)♪ 近いうちにUPしますので、また遊びに来てくださいね！ 完結までよろしくお願い致します！(^人^) (2021年12月13日 0時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» ご愛読ありがとうございます！ 楽しんでいただけて私も嬉しいです(*´∀`)♪ 漠然と想い描いている最後を何とか文章に乗せて完結まで頑張りますので、よろしくお願い致します！(*-ω人) (2021年12月13日 0時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます♪続編嬉しいです！楽しみにしてますね(人 •͈ᴗ•͈) (2021年12月12日 20時) (レス) @page50 id: c397bf8382 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 続編ありがとうございます!いつも楽しみながら読んでいます!続編がんばって描いてください!楽しみに待っています! (2021年12月12日 17時) (レス) @page50 id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» 応援コメントありがとうございます！キュンキュンいただけて嬉しいです！宿儺&五条&虎杖との絡みとか書きたいことが沢山あって１話詰め詰め型ですが、完結まで頑張りますので、最後までお付き合いいただけると幸せです。(*^ω^)♪ (2021年11月28日 20時) (レス) @page33 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずあ | 作成日時：2021年11月6日 18時
