32 靄に溶ける〈五条side〉 ページ32
１級術師のフォロー任務を早々に終わらせて、補助監督を急かして高専へ戻ってきた。
怪我を負った術師を処置室にいる硝子に預け、彼女が反転術式を施すのを見届けてから足早にAの元へと向かう。
お詫びのシフォンケーキを持って医務室のドアを開けた瞬間。
視界に飛び込んできたのは、白い
おい、ウソだろ！？
「A！ 待て！ 行くな！」
必死に駆け寄り、目一杯伸ばした指先が少し触れただけで、Aの身体は突如広がった
「え、五条先生！？」
「…ｸｿｯ…遅かった…ッ」
突然叫んで医務室に飛び込んだ僕を見て驚く悠仁に、応える余裕は無かった。
あまりの衝撃で、その場に片膝を付く。
なんて奴だ…こうもあっさり…
「え！？ あれ！？ Aさんは！？」
「…っ悠仁！！」
「ぐっ…せん、せ…？」
振り返って立ち上がり、キョロキョロ見回す悠仁の胸ぐらを強く握る。
すっとぼけている訳ではないだろう。
悠仁は何も知らない。それが正解。分かってる。
分かってる。…けど…
怒りの矛先がどうしても、この呪いの王を宿した少年に向いてしまう。
明言されていた通り、Aは宿儺に奪われた。
その事実が俺の心臓を捻り潰しにかかる。
ダメだ、落ち着け。冷静になって考えろ。
何か媒体になる物があったはずだ。
「ごめん、取り乱した」
悠仁から手を離し、小さく息をつく。
「いいよ。それより…」
「悠仁、Aに何か渡した？」
不穏な空気を感じ取った悠仁の言葉を切り、核心に迫る質問を投げかけた。
「え、うん。薔薇の花束。宿儺がAさんに贈れって」
「薔薇…？」
「ってゆーか先生、Aさんは？ どこ行ったの？ さっきまでそこに居たよね？」
悠仁が誰も居ない空間を指差す。
そこに…
「薔薇の花びら…」
赤い花弁が一枚落ちていた。
指先で拾い上げると、微かに宿儺の呪力が残っている。
首の皮一枚繋がった状態。
まさに、一縷の望み。
「まんまと騙されたな、悠仁」
「へ…？」
「Aは宿儺に奪われた」
「な…え…どうゆうこと？」
「Aを取り戻す手がかりと媒体は、この薔薇の花びら一枚きり」
「あ、薔薇…あいつ…ッ」
悠仁が一瞬で青ざめた。
Aは何故か、悠仁と２年メンバーとの談笑の輪から離れていた。
何かの想いがそうさせたのか、見えない力に引っ張られたのか…
どちらにしろ仕組まれていて、宿儺が僕の居ない隙を狙ったのは確かだ。
*
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ゆずあ(プロフ) - みぃさん» ご愛読ありがとうございます！続編を楽しみにしていただけて嬉しいです(’-’*)♪ 近いうちにUPしますので、また遊びに来てくださいね！ 完結までよろしくお願い致します！(^人^) (2021年12月13日 0時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» ご愛読ありがとうございます！ 楽しんでいただけて私も嬉しいです(*´∀`)♪ 漠然と想い描いている最後を何とか文章に乗せて完結まで頑張りますので、よろしくお願い致します！(*-ω人) (2021年12月13日 0時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます♪続編嬉しいです！楽しみにしてますね(人 •͈ᴗ•͈) (2021年12月12日 20時) (レス) @page50 id: c397bf8382 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 続編ありがとうございます!いつも楽しみながら読んでいます!続編がんばって描いてください!楽しみに待っています! (2021年12月12日 17時) (レス) @page50 id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» 応援コメントありがとうございます！キュンキュンいただけて嬉しいです！宿儺&五条&虎杖との絡みとか書きたいことが沢山あって１話詰め詰め型ですが、完結まで頑張りますので、最後までお付き合いいただけると幸せです。(*^ω^)♪ (2021年11月28日 20時) (レス) @page33 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずあ | 作成日時：2021年11月6日 18時
