16 夜中の散歩〈虎杖side〉 ページ16
「ああぁぁーっ！ よく寝たぁ！」
『おい小僧、さっさと寝ろ』
「いや寝ねぇよ！ 今起きたばっかだぞ！」
『お前が起きていると、俺がAのところに行けないだろうが』
「尚更寝る訳にいかねぇ…」
そうだ。こいつ、今夜Aさんを奪うとか宣言してたな。
絶対、完全阻止してやる！
「いやぁ〜Aさんに呪力奪われて良かったぁ」
『…ｸｿｯ…』
今までまったく気にしてなかったけど。
意識的に宿儺の感情に寄り添ってみると、こいつは意外と分かりやすい性格だ。
今も、Aさんに会いに行けなくて、めっちゃ落胆してる。
ははっ…本当に『呪いの王』かよ。可愛いじゃん♪
とりあえず、学生寮を出た。
夜中だけあって、少し肌寒い。
眠れない夜の散歩を決め込んで、高専内の静かな並木道を歩く。
途中で見つけたベンチに腰を下ろし、
「なぁ…お前さ、Aさんとはどこで出逢ったの？」
僅かな風に揺れる木々の葉の音をBGM代わりに、星が煌めく夜空を仰いで自然と、そんな質問を投げかけていた。
同級生に、好きな人との馴れ初めを聞く軽い感じで。
どこで出逢ったの？
どんなところが好きなの？
そういうノリ。
どうせ眠れないし、こいつの事を知るいい機会だ。
『……。千年前…アイツは俺への貢ぎ物だった』
「ん？ みつぎもの？」
意外にも、素直に答えが返ってきた。
宿儺も実際、暇をもて余しているんだろう。
『はぁ…お前はもう少し教養を身につけろ。話にならん』
「待てよ、今調べるから」
スマホを取り出し、覚えたての検索をする。
み、つ、ぎ、も、の…
貢ぎ物。これか。
《支配者が税として取り立てる物品。被支配者が支配者へ献上する品物や金》
『ほぅ…便利なものだな』
「なぁ、これって…」
『女を貢ぐ目的は、夜伽をさせて主君を満足させる事だ。Aは……俺への生け贄のようなものだった』
「よ、と、ぎ……うぉっ！？」
夜伽って意味、何個かあるけど…こいつが言ってるのは、男女の夜のアレコレの方だよな。
つーか、それより…
「何でAさんが生け贄に…？」
「え、私？」
「ぉわっ！ ビックリした…こんな時間に何してるんすか！？」
「それはこっちのセリフだよ」
突然現れて、ふにゃりと頬を緩ませて笑うAさんが、当然のように俺の隣に座る。
「あ、そっか。夕方に爆睡したから眠くないよね。ごめんね…突然、術式使って…」
「いや、俺が宿儺を抑えられなかったせいだし…俺の方こそ、スミマセン…」
昼間のキスの感触が蘇り、思い出して一気に身体が熱くなった。
*
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ゆずあ(プロフ) - みぃさん» ご愛読ありがとうございます！続編を楽しみにしていただけて嬉しいです(’-’*)♪ 近いうちにUPしますので、また遊びに来てくださいね！ 完結までよろしくお願い致します！(^人^) (2021年12月13日 0時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» ご愛読ありがとうございます！ 楽しんでいただけて私も嬉しいです(*´∀`)♪ 漠然と想い描いている最後を何とか文章に乗せて完結まで頑張りますので、よろしくお願い致します！(*-ω人) (2021年12月13日 0時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます♪続編嬉しいです！楽しみにしてますね(人 •͈ᴗ•͈) (2021年12月12日 20時) (レス) @page50 id: c397bf8382 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 続編ありがとうございます!いつも楽しみながら読んでいます!続編がんばって描いてください!楽しみに待っています! (2021年12月12日 17時) (レス) @page50 id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - ミーコさん» 応援コメントありがとうございます！キュンキュンいただけて嬉しいです！宿儺&五条&虎杖との絡みとか書きたいことが沢山あって１話詰め詰め型ですが、完結まで頑張りますので、最後までお付き合いいただけると幸せです。(*^ω^)♪ (2021年11月28日 20時) (レス) @page33 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずあ | 作成日時：2021年11月6日 18時
