またあした **** ページ39
大毅
「 しげ、移動やって」
「 んー、わかった 」
メンバーの声で、一気にこっちの世界に引き戻されて、
あわてて画面から目を離す。
「 … ん、…っ」
と同時にぐわんと世界が揺れた。
会議室に向かうメンバーの
バタバタと荷物をまとめる音を聞きながら、
両手で顔を覆い、なんとか椅子から落ちないようにしながら
平衡感覚が戻るのを待つ。
「 …どした？」
「 … 目のきゅうけー…」
その手で目の当たりをぐりぐりすることで誤魔化す。
流星が声をかけてくれたけど、
ごめん、今はほっといてほしい。
気を張ってるときはいいんやけど、
一瞬気が抜けるとあかんねんな。
がんばれ俺。
集中しとけば、そうすれば疲れなんて忘れられるから。
:
:
ここがこれであぁで、
あれがどうで、だからあぁで、
スタッフさんやメンバーの話し合っとる声が、
さっきから音でしか聞き取れない。内容なんて全く入ってこない。
待って待って、なんて言うてんの
落ち着け、集中せんと
集中せんとと思えば思うほど、
実際はなんも入ってこない自分に少し困惑しながら
俺は相当不安そうな顔をしてたんやろうか
「 … ？ (しげ？大丈夫？)」
流星がそんな俺に気づいて、目だけで尋ねてくるから。
全身に張りつめらせてた糸が、
解けてしまったのがわかった。
「 … っ、はぁっ 、ひゅっ、はぁっはぁ…っ！」
頭を殴られたかのような酷い目眩と、
空気に溺れる感覚。
全身が脱力して、パイプ椅子から落っこちそうになって、
あわてて机を掴もうとしたらバサバサと資料が全部落ちて。
「 苦しくなってもうた？ゆっくり息吐き？」
照史が崩れ落ちた俺を抱えながら、
優しく声をかけてくれとるんやけど
治まるどころか呼吸はひどなる一方で。
「 しげ、」
流星の低い声が耳元で聞こえたら、
苦しい呼吸が一瞬楽になって、意識が飛んだ。
:
:
「 … ぅ、」
目を開ければ楽屋のソファに横になってた。
視界の端っこには向かい側のソファに座ってこっちを見とる流星。
まだ休んどってええよって言うてるみたいに
何も言わんでいてくれるから、
安心して、また身体が宙に浮いてるように力が抜ける。
「 マネさん、送ってくれるって
終わったら俺、家行ってええ？」
「 … ええ」
「 …それはどっちの…「 こんでええって、」
やのに俺は、つくづくどうしようもない。
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こゆず(プロフ) - たくたるゴまム。さん» こんなに嬉しい感想頂けていたのにお返事遅くなってすみません。心が疲れた時にこのお話が涙活に携われているなんて幸せです。これからもよろしくお願いいたします！ (2021年2月18日 12時) (
レス) id: e0d56658fe (このIDを非表示/違反報告)
こゆず(プロフ) - スイーソさん» コメ返遅くなりすみません！！ありがとうございます。深呼吸のはまちゃんはわたしもとてもお気に入りです。次回作でもまたよろしくお願い致します！ (2021年2月18日 9時) (レス) id: e0d56658fe (このIDを非表示/違反報告)
たくたるゴまム。(プロフ) - 泣きたくなったら、心が疲れたら、初めっから終わりまで一気読みして、泣きまくるものです()私が特に好きなお話は、「だいじょばない」と、「お守り」です。この2つは、毎回同じところで泣いてしまいます。こゆさんの綴る一つ一つの言葉がいつも胸に刺さっております！ (2020年12月15日 23時) (レス) id: 908144d194 (このIDを非表示/違反報告)
スイーソ - いつも楽しく読ませていただいております！全部の話大好きなんですが、特に挙げるとするなら「だいじょばない」「お守り」「深呼吸」ですかね！「深呼吸」の�陲舛磴鵑呂發Δ�っこよすぎて、悶絶します笑笑更新大変かとは思いますが頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年7月31日 15時) (レス) id: c9fa8fc813 (このIDを非表示/違反報告)
こゆず(プロフ) - あいらさん» わ〜たくさん挙げて頂けて嬉しいです涙。しかも最初から読み返して下さったなんて…。何度も読み返したくなるようなお話がかけるようこれからもゆっくり頑張ります！ (2020年7月25日 1時) (レス) id: c119be4fa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆ | 作成日時：2019年4月26日 9時
