ヒーロー (ばど)* ページ19
淳太
中間「あれ、重岡から着信入ってる」
桐山「え、淳太くんも?俺もやねんけど。」
今日は照史とずっと仕事が一緒な木曜。
ラジオの生放送やって、反省会も終わると
だいたいいつも、1:30は過ぎる。
しげからの着信は 1:10と、1:15 の2本。
ラジオのオンエア終わってからかけてきてんな。
桐山「 お、俺もやで。1:00すぎと、ちょうどさっきや。」
中間「ちょ、かけてみるな。」
まだ仕事してるってわかるメンバーに2本ずつ、
しかもちゃんと終わってから 。
なんとなくやけどイタズラとは思えへんのよな 。
繋がったらスピーカーにしてな 、って言うてる照史に頷きながら、
着信履歴から電話をかける。
中間「 しげ ? 中間やけど、どうした?」
割とすぐ出てんけど、なかなか声が聞こえない。
『 … は、 … っ、 ん、 ゴホッ』
中間「 ちょ、しげ? 大丈夫? 」
やっと聞こえてきたのは 、荒っぽい息で。
『 ゲホ…ッ 、 っ ごほ 、 ん…』
なんか喋ろうとしてんねんけど、息が詰まって声になってへん。
咳するのも苦しそうな息。ゼーゼーいっとるし。
桐山「 しげー?照史やけど、いまから淳太くんと行くな?
なるべく楽な姿勢しとってな?」
照史がスマホ繋いだままにしとってくれて、
もうふたりしてダッシュでスタジオを飛び出した 。
桐山「 しげ風邪ひいてたっけ 」
中間「 最後にあったときは普通やったな 、」
普段なら風邪とか引いても絶対連絡よこさん。
それが俺にも照史にもヘルプを出すなんて 、
よっぽどしんどいんやろ。
深夜やから道も空いてて、電話もらって15分くらいでしげんちに着いた。
車停めるから照史には先行っててもらったんやけど 。
中間「 お待たせ 、しげどう? 」
桐山「 車ありがとう 。着いたら寝てたで 」
ベッドにうずくまるようにして眠っとる。
毛布とかはグチャグチャにまるまってたり落ちてたり。
中間「 あぁ、熱いわ 」
顔は隠れてるからそっと首筋に触ると嫌に熱く感じる体温。
桐山「 寝れてはいるっぽいけど、苦しそうよなぁ 」
背中が不自然に上下してる 。
荒くて早い息も 、
行き場をなくしたみたいにヒュウヒュウ小さく漏れるだけ 。
中間「よう連絡してくれたわ、ほんま」
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作者名:こゆ | 作成日時:2018年3月20日 8時