バニラ ** ページ2
流星
寝たり起きたりを繰り返してるしげ。
また起きたと思ったら 、必死に手で俺のこと探してて。
思わず除けそうになるくらい熱い手を握ってやる。
「 んー …… っ、 」
また一段と熱くなった気がする。
なにより息が荒すぎてほんまに苦しそう。
咳も酷いし１回起こしてやりたくて、
熱でぐにゃぐにゃなしげを抱き上げる。
「 はぁ 、 はぁ … っごめ 、 」
「 ええよ、ぜんぶもたれて 。苦しいなぁ、」
1人じゃ座ってられへんから、ベッドの上で正面から抱き抱えてる状態 。
むかし怖い夢で泣いて起きた妹の背中をさすったのを思い出す。
こんなに熱高いのに、しげはブルブル震えとって。
ほとんどうわ言のように寒い寒いと繰り返せば、
今度は熱い、苦しいってべそかいて。
もうどっちかとかやないんやろうな、とにかくしんどいんやろ。
しげを抱えながら手探りで体温計を探して計ると40.9℃。
普通にあかんやん。
ウイルス性やから高熱になるって医者には言うてもらったけど、
ここまでやなんて思ってなかった 。
長い時間眠れるように 、少しでも熱下げたいし、
解熱剤飲ましたいんやけど、
俺にもたれてぐったりしたしげを離すわけにもいかんし …
玄関のドアが開く音がした 。
それから部屋のドアもあいて、ぴょこっと顔を出したのは照史。
「 おまたせ。頼まれたもん買うてきたで。」
ナイスタイミング。
「 おつかれ、ありがとう。しげ、照史来てくれたで」
「苦しそうやなぁ。しげ、おれのとこくる？」
照史が ん？って顔して手を広げる。
しばらくぼーっと見つめてたしげやけど、
「 ……… いかん 」
華麗にお断りしてまた俺の腕の中へ。
「えぇ〜〜 振られたわぁ！」
なんて泣き真似しとるけど、楽しそうやな。笑
「しげ、照史のほうがガタイええし案外良いかもしらんで」
「せやで、クッション性もあるし …って誰がデブやねん ！」
「いや言うてへんし」
照史が来てくれたことで少し空気が軽くなる。
しげが少し起き上がったと思ったら 、照史の方に行きたいって 。
しっかりクッション性に釣られてるやん。笑
さて、俺は照史が買うてきてくれたものの準備をしますかね。
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作者名：こゆ | 作成日時：2018年3月20日 8時
