バニラ （青）* ページ1
大毅
動けへん。
「しげー、ご飯作ったけど食べれる？」
たぶん、絶対食べたらあかん 。
てことも、言いたいのに喋るのもしんどい 。
「 あー、顔まっかっかやなぁ。またちょっと上がったやろ。」
なんとかウイルスっていう菌が喉に入ったらしい俺は 、
インフルのほうが楽に思えるくらい短時間で体調が急降下 。
座ってられないくらいの高熱で仕事は途中で見送りになって、
いっしょに仕事してた流星が病院連れてってくれて
そこからずっと看病してくれとる。
申し訳ないなって思ってんけど 、
「 うわ、39.8℃やって。これ今度測ったら40℃いくやろ。な、そう思わへん？」
なぜか割と楽しそう 。
「っ、ごほっ ごほっ 、…」
「 頭痛いよなぁ、」
咳しただけで頭に割れそうなほど響くし、
身体はキシキシするし、背中がゾクゾクするし、
だめや、ちょっとの動きもしんどすぎる。
「薬飲みたいやろ？一口だけがんばろうや」
流星が頭に響かんように優しく言ってくれとる。
でもなんかその声が 低くて心地よくて 、
何も反応出来ないまま、気がついたら眠っとった。
身体がカアッと熱くなる感覚でまた意識が戻ってくる 。
目を開けるのもしんどくて、
でも閉じていてもぐるぐる回る視界が嫌や。
動けないのにじっとしていられない身体中の不快感 。
こんな具合悪いの、大人になってから初めてかも …
なんやろ、なんか血管が熱だしてる、みたいな。
身体中が燃えるように熱くて痛くて 、どうにかなってまいそう 。
「 ん 、りゅ…… 、」
たぶん、近くにおってくれてるはず 。
熱くて寒くて 、痛くて重くて 、
熱のせいやけど 、とにかく心細くて 。
「 …りゅうせ 、 っ ごほっ 」
「 お、目覚めた？ ここおるよ、大丈夫 。」
目を開けても霞んでまうから、よう見えへん 。
でも声を聞くと、やっぱり安心する。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 561人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こゆ | 作成日時：2018年3月20日 8時
