ご機嫌ななめ **** ページ32
大毅
熱い 、寒い 、
… キツい 。
中間「 熱引かん?そっか … しげ、クーリングしてもええ?」
重岡「 … ん、 や、」
うまいこと喋られへん 。
口を開けば出てくるのは 嫌 、って言葉だけで 、
実際はなにが嫌なんかも 、何言われてるかもあんまよう分からんのやけど 。
濱田「 まだ寒いから冷やすの嫌なんかな 。しげ、 水分はとれる?」
重岡「 ん 、んん 、 いや …」
中間「 も〜 。 ほんま、わがまましげちゃんになってんな。笑」
正直びっくりした 。
熱もないのにやけに辛いと思ってたら 、短時間で死ぬほど上がって 。
俺が楽屋で動けんようになってから 、もちろん収録は延期 。
しんどすぎて病院も嫌って駄々こねて 、
濱ちゃんと淳太がうちについてきてくれた 。
40℃越してると 、
頭沸騰しそうにグラグラするし 、
声も出せへんほど苦しくてしゃあない 。
なにがってわからんのに なにもかも嫌で 、
ふたりともに近くにおってほしいのに、
何されてもしんどくてわがまましか言えへんくて 。
でも 。
濱田「 こんな熱あったらなんもかんも嫌よな〜 。」
中間「 はいはい、しんどいな 。ちょっとこれだけがんばろうな 」
めちゃめちゃな俺のわがままをちゃんとうんうん、って聞いてくれて
なんも言わんでも近くにおってくれて 。
なんかもう、余計自分が嫌になる 。
重岡「 … っ 、 んん〜〜 ……… 。」
濱田「 あー笑 、泣かん方が楽やで? まぁ泣きたくもなるか 」
たまらず涙がこぼれるめんどくさい俺のことも、全肯定 。
自分の息の音とか 、エアコンの音とか、時計の音もうるさくて
耳も頭もガンガンするし、
天井も近くなったり遠くなったり、
頭枕につけてるのに 沈みこんで戻ってこれなくなりそうで
重岡「 や 、 いやや 、怖い ………… っ、 」
いい大人が熱出て怖いなんて訴える方が恐怖やろ 、なんて
頭のどこかでは冷静な俺がつっこんでる 。
中間「 大丈夫大丈夫 、キツいのなくなるまで一緒におるから 」
濱田「 辛そうやな 、もう代わってあげたいわ〜…」
あんなにほかの音はうるさくて不快なのに 、
二人の声は低くて心地いい 。
重岡「 …… このまま 、」
中間「 ん?なに?」
重岡「 このままずっと喋っとって………、 」
歪んでいく視界に 、顔を見合わせて笑う2人が見えた 。
End
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作者名:こゆ | 作成日時:2018年3月20日 8時