ヒーロー **** ページ22
淳太
昼前にしげの点滴は終わって 、また家に戻った 。
絶対に入院したくないなんて、らしくないわがままを言ってたら
絶対安静ってことで先生が折れてくれて 。
ドクターストップやからマネージャーも仕事調整してくれたらしい。
中間「 お粥をあるけど…食べれそう？」
重岡「 … 食べたない 、」
まぁ、そうやと思う。
咳のしすぎで疲れてるやろうし、喉も荒れて痛いやろうし 。
桐山「 しげ、桃切ったで 。どう？」
食べたい気持ちはあるようで、
照史が切ってくれた桃缶を何個かつまんで薬飲んでまた寝て 。
夕方に差し掛かった頃 。
重岡「 … 、 な、 …じゅ 、た 」
中間「 うん ？ あ、しんどなってきたな 」
どうしても夕方になると熱が跳ね上がってまうみたいで 、
真っ青な顔で小さく震えている 。
桐山「 ちょい待っとき 、温かいの入れてくるな 」
重岡「 … ぅ、 んん 、 ぐあいわるい …」
ゴホゴホと、肺炎特有の嫌な咳をしながら顔を枕に押しつけて 。
中間「 ほら、苦しいから顔出しとき ？」
重岡「 んー ………っ 、げほ げほ、」
しばらくウンウン唸ってて 、
熱が上がりきったのか、いつの間にか青白かった顔は真っ赤に 。
重岡「 淳太 、風呂入りたい 」
中間「 アホ、何言ってんの 」
熱で頭おかしくなったんか 、
39℃あるやつがとんでもないこと言い出した。
重岡「 やって 、楽になったんやもん 〜… 」
まぁ、上がってる途中が一番しんどいって言うけど 、
それでもあかん 。絶対安静言われてるんやから 。
桐山「 立ってられへんくせに何言っとんねん 。笑
汗かいてるんやったらタオルで身体拭こうか」
照史の提案で 、ホットタオルで身体を拭いてやることに 。
重岡「 … ふ あ 、」
中間「 気持ちええ？ 」
二人がかりで支えながら拭いていくと 、大きなあくびをひとつ 。
桐山「 うっとうしくないん？こーゆーん嫌いやん 」
中間「 なんか、口うるさいおかんが二人いるみたいやろ 。」
いつものしげからは想像出来んような光景やから 、
照史とそんなこと言って笑う 。
重岡「 べつに ………… 助かる 、っていうか 」
眠そうな声でごにょごにょらしくないことを言い始めた 。
重岡「 あと、 おかんやなくて… 」
“ ヒーローちゃうの 。”
小さく口が動いたのは 、
きっと見間違えでも聞き間違えでもないはず。
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作者名：こゆ | 作成日時：2018年3月20日 8時
