rainbow box ！ (ページ10)

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ライバル（橙） * ページ10

(事実とは異なります、ご注意ください)

照史

重岡「いっしょに楽器やらへん？」

関西Jrのころからよーわからんけど気がつけばど真ん中にいたこいつ。

昔からおれは誰よりもしげのことをライバル視してて、

でも誰よりもいっしょに仕事がしやすくて、

誰よりもどこか憧れてた。

そんなしげと同じグループになって早数年。

年々アホさが増してきて扱いに困るこいつやけど、
毎日刺激しあってるのは、やっぱりあの頃と変わらんと思う。

桐山「え？おれ？」

重岡「そー。ユニットさ、いっしょにやらへん？」

俺が三線で、あいつがピアノ。

そんで、しげが書いた、おれのお気に入りすぎる歌詞。

音楽的なことはやっぱおれのが得意やから、

なんども相談されて、いっしょに考えて、

コンサートでももう何回も披露してる、自慢のユニット曲。

♪ 、♪、

今日も朝しげの音が聴こえてきて。

桐山「僕を待つ〜」

おもわず着替えながらいっしょに口ずさむ。

♪

♪♪ 、♪

…なんか変やな。

突っかかるっていうか音が硬いっていうか。

朝やししゃあないんやけどもっといつも、ノリノリに弾いてるはず。

結局それきり音は聴こえてこうへんくて、

午前のリハで、それは浮き彫りになった。

重岡「ごめん、もっかいええ？」

桐山「もちろん、なんか今日しっくりこんな(笑)」

いつもより数回多く合わせて
まぁなんとか合格ラインってとこでやっとリハは終わった。

重岡「なんか、ごめん照史 …ほかも確認あるやろうに」

いつになく不可解そうな顔をしながら俺に謝ってくる。

桐山「ん？ええよ、俺もやりたかったし。でもどうかしたん？」

重岡「んーー、なんか。手寒くてよう動かへんねん。」

そう言ってグーパーしてみるしげ。
けっこうもう弾いてるはずなんやけどな。

桐山「ほら、これやるわ、あっためとき？」

重岡「あー、おおきにごめんな、ほんま。」

ポケットにぽけっと入ってたカイロを渡した。

別にそんな謝らんでもええのにな

その後全体でダンスコーナーのリハとかやっても、

やっぱり違和感は拭えんかった。