お洒落出来ないし、なんなら部屋も汚いよ ページ5
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ついに来てしまった華金。
全然華の金曜日じゃないけどね！むしろ心持ちとしては？拷問みたいな感じですけど？
今日という日が来なければいいのに…ってうだうだ考えているうちに日々が過ぎ去っていってしまった…。うう…。
なんで私なんだろう…帰りたい。
気が重くなりつつ、ちゃっかり定時前に終わり、会社の出入口周辺で茅ヶ崎さんを待つ。
｢あ、お待たせしました｣
｢いえ、私も今来たところだったので大丈夫です｣
｢…それじゃあ行きますか。行きたい所あります？｣
｢え、あー茅ヶ崎さんのお好きな所で｣
てっきり茅ヶ崎さんが飲みに行こうって言い出したから場所決めてあるのかと思ってた…。そこは選択制なんだね。不思議な人だなぁ。
少し悩んだ仕草をすら完璧で神様は人に二物を与えるんだなって思った。
｢それじゃあ、居酒屋行ってもいいですか？｣
｢え、居酒屋？…茅ヶ崎さんでも居酒屋行くんですね｣
｢はは、俺の事何かと勘違いしてません？｣
｢あー、すいません｣
思わず目を逸らして謝ると笑い声が降ってきた。笑った顔も綺麗だなんて本当に女の敵だ…。肌綺麗だし…。
｢はは、行きますか｣
｢…はい｣
｢Aさんは良く飲みに行ったりします？｣
｢んー、私はそんなに。友達に誘われて行くのが大抵ですね。茅ヶ崎さんは？｣
｢俺ですか？俺もあんまり行かないです。会社の忘年会とかそういう外せないヤツ以外は。基本インドア派なので、わざわざ外に出たくないです｣
｢ふふ、茅ヶ崎さんって思ってたよりも普通の男性なんですね。てっきり、お洒落好きでなんでも出来る人かと思ってました｣
｢そんな事ないですよ。…あ、ここです｣
思ったより話しやすい人かもしれない。そりゃーこんな色男が、モテないわけないわ。
居酒屋の扉を開けて暖簾をくぐって入って行った茅ヶ崎さん。その後を付いていって靴を靴棚にしまい、店員に個室へ案内される。
｢素敵な雰囲気ですねー｣
｢ですね。何飲みます？｣
｢取り敢えず生で｣
｢俺もそれにしようかな｣
茅ヶ崎さんはその長い指で、呼び出しボタンを押した。すぐに店員さんが来て注文を取ってくれる。茅ヶ崎さんセレクションでおつまみも何個か頼んだ。
店員さんがいなくなって少し肩の力を抜いた。
店員さんくるとちょっと緊張するよね…。
｢…それで、さっきの話の続きですけど俺、｣
──
続く
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作者名：胡椒 | 作成日時：2018年6月9日 2時
