【5】 グループ内、恋愛禁止。

21*重岡大毅 ページ22

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男のカメラは、寮の坂を下りてすぐあるゴミ捨て場に捨てた。

時刻は18:28。空がオレンジ色に染まるころだ。
俺のスマホも幸い割れていなかった。

それにしても、あいつは何が目的やったんやろう。
そうや、皐月さんに話そう。
それがAを守る一番の手立て。この先また襲ってくるかもわからんし。




寮の玄関の引き戸は立てつけが悪くて、一回スライドしたら途中で引っかかる。
皐月さんは、防犯になるからいいじゃない、と言っていた。


靴を脱いで、靴箱にきちんと入れる。
神ちゃんのヒョウ柄のハイカットスニーカーの横に俺の地味なコンバース。
下段には、Aが神ちゃんとえらんだという真っ白できらきらのスニーカーがあった。


長い廊下は、少しきしむ。
手前から、淳太、濱ちゃん、流星、俺、小瀧、A、神ちゃん、照史くん。
各部屋はさほど広くないけれど、個人の空間を守るスペースはしっかりある。




―――あ、A、ちゃんと寝てるかな。


俺は自分の部屋の取っ手に手を掛けたけど、すぐにやめた。
Aの顔を見て、具合が悪そうでなければ帰るつもりだった。









帰る、つもりだった。

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