【5】 グループ内、恋愛禁止。

19*重岡大毅 ページ20

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寝息をたてているAを起こさないように、そっと布団を掛けた。
ジッパーを首元まで上げる。黒い髪が絡まってしまいそうだ。





Aのパニックは、そう長く続かなかった。
完全に抱きしめて声を掛け続けるうちに、いとが切れたように静かになった。

だからこそ、目覚めたらまた取り乱してしまうかもしれへん。

俺は、Aのベッドからなかなか離れられずにいる。




枕元の小さな机に置かれた、Aのスマホが光った。

小瀧とおそろいで買ったという星がついたイヤホンジャックがしゃらりと揺れる。


【中間淳太：今からかえるけど、なんか食べ…】


淳太くんや。てか、俺の携帯どこいったんやったっけ。

ジーパンのポケットを上からたたいても、それらしい感触はない。
さっきの男と会った時にどっか飛んでったかも。あー割れてへんといいけど。




立ち上がり、ベッドのAを見やる。

窓の外はまだ明るい。
男のカメラも回収しといたほうがよさそうやな。

このこと、メンバーに話すべきかどうかもきっちり考えよう。





俺は、その何事もなかったような寝顔に、安心してしまった。

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