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ころんside
暗い
表情がなくなっているように見える
もうすぐ夏休みだ
だが、Aちゃんの反応は薄いものだった
『……』
ボーッと一点を見つめ、騒音に身体をビクつかせている
僕が気づいたのは、昼休憩中、図書室へ向かうために彼女のクラスの前を通ったときだった
『……』
伏せて耳を塞いでいる
肩を震わせながら
こ「姫宮さん…!一緒に図書室行かない?」(・・?)
そんな姿を見ていられなくて声をかけた
『水河くん…っ』
こ「図書室の方が静かだし落ち着けるよ。行こう」
泣き顔を見られたくないのか
歩くペースもだいぶゆっくりで呼吸を荒く、浅く繰り返していた
— — — — —
こ「…またなんか抱えてるでしょ」
乱れる呼吸を止めようとしながら涙を流すAちゃん
その涙はとめどなく溢れていて、止まることを知らなかった
『突発性難聴…網膜剥離』
ゆっくりと言葉を紡ぐ彼女に、驚きが隠せなかった
こ「網膜剥離…って…」
その言葉を、僕の脳が瞬時に理解として及んだ
Aちゃんはそれだけ苦しんでたの?(´・ω・`)
ストレスからかな
だとしたら、僕は馬鹿だ
大切な人の変化にすら気づけなかっただなんて
『水河くん、不登校になったらダメ…?疲れた』
ふと、Aちゃんが言う
だけどその目は真っ黒で…
こ「僕が決めることではないけど、Aちゃんの好きにしたらいいと思うよ」
『あとね、また増えたの』
袖をめくると、赤黒い血の跡が彼女の腕にはたくさんあった
こ「……切っちゃった?」(・ω・`)
『……』
この傷は恐らくシャーペンだろうな
こ「保健室行こう」
『…うん』
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星奈(プロフ) - 読者様…どなたが見てくださってるのかな……短時間でこんなにハートが増えるの初めてなんだけど… (2022年11月7日 20時) (レス) @page14 id: 91cc59a311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星奈 | 作成日時:2022年2月27日 21時