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ページ32

ころんside

 


暗い




表情がなくなっているように見える




もうすぐ夏休みだ




だが、Aちゃんの反応は薄いものだった




『……』




ボーッと一点を見つめ、騒音に身体をビクつかせている




僕が気づいたのは、昼休憩中、図書室へ向かうために彼女のクラスの前を通ったときだった




『……』

 


伏せて耳を塞いでいる




肩を震わせながら




こ「姫宮さん…!一緒に図書室行かない?」(・・?)




そんな姿を見ていられなくて声をかけた




『水河くん…っ』




こ「図書室の方が静かだし落ち着けるよ。行こう」




泣き顔を見られたくないのか(うつむ)いてしまうAちゃん




歩くペースもだいぶゆっくりで呼吸を荒く、浅く繰り返していた

— — — — —

こ「…またなんか抱えてるでしょ」




乱れる呼吸を止めようとしながら涙を流すAちゃん




その涙はとめどなく溢れていて、止まることを知らなかった




『突発性難聴…網膜剥離』




ゆっくりと言葉を紡ぐ彼女に、驚きが隠せなかった




こ「網膜剥離…って…」
 



その言葉を、僕の脳が瞬時に理解として及んだ




Aちゃんはそれだけ苦しんでたの?(´・ω・`)




ストレスからかな




だとしたら、僕は馬鹿だ




大切な人の変化にすら気づけなかっただなんて




『水河くん、不登校になったらダメ…?疲れた』
 



ふと、Aちゃんが言う




だけどその目は真っ黒で…




こ「僕が決めることではないけど、Aちゃんの好きにしたらいいと思うよ」




『あとね、また増えたの』




袖をめくると、赤黒い血の跡が彼女の腕にはたくさんあった




こ「……切っちゃった?」(・ω・`)




『……』




この傷は恐らくシャーペンだろうな




こ「保健室行こう」




『…うん』

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作品ジャンル:恋愛
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星奈(プロフ) - 読者様…どなたが見てくださってるのかな……短時間でこんなにハートが増えるの初めてなんだけど… (2022年11月7日 20時) (レス) @page14 id: 91cc59a311 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星奈 | 作成日時:2022年2月27日 21時

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