番外編〇5 ページ20
さっきの会話の一部始終を聞いていたことから、この子は今から彼氏に会いに行くと言っていた。
だから俺が待ち合わせしてる彼氏みたいに「お待たせ〇〇!」って感じで登場したかったのに
「お待たせ、子猫ちゃ……ん?」
変に手越を意識しすぎたせいか、咄嗟に出た言葉は「子猫ちゃん」。
マズイ、これは非常にマズイ。
「誰だよお前」
2回目の誰だよありがとうモデルくん。
俺も最早自分が何かわからないよ。
急に割り込んできた挙句、意味の分からない寒いセリフを口にした俺に、自称モデル男のイライラはさらに増しているようだ。
「今なんつった?子猫ちゃん?何言ってんだコイツ」
「いや、この子、俺の彼女、こねこっていう、名前だから」
苦しい。言い訳が苦しすぎる上にコミュ障が発動している。
でもこの場を脱却するにはこうするしかない…!
「は?こねこ?子猫ちゃァ〜ん?」
「それどっかで聞いたことあるな」
「NEWSの手越!!イ〇テQで聞いたことある」
手越=子猫ちゃんの方程式はファンじゃなくても成り立っているらしい。
今度報告しておこう。
「てかお兄さん、本当に彼氏?横取りはよくないでしょ〜」
男たちの煽りのターゲットは見事に俺に向けられる。
背中に冷や汗を感じながらも、何とか今は彼氏を演じ切るしかないと思い必死に思考を巡らせた。
「彼氏っつってんじゃん。ね?」
「…うん!」
彼女も察してくれたようで、俺の問いかけに合わせてくれた。
これでもうすぐ解放!と思いきや
「じゃあさ、オニーサンたち今からここでキスしてよ?」
「は?」
「オニーサンと子猫ちゃんは付き合ってんでしょ?それで俺諦めるからさ。」
モデル男は先程から一変、ニコニコしながら俺たち2人に話を持ちかけてきた。
顔をよく見ると成程、なかなか整っている。
手越とまでは行かないが、顔もスタイルもモデルと言われて納得のクオリティだ。
しかし自分のプライドの為にヤケになっているのだろう。
あと俺が彼氏じゃないってバレバレだろうし。
一方で、彼女は困り果てた表情で俺を見上げた。
「(どうしますか…?)」
多分今、口パクでそう言っている。
いや別に俺はいいんだけどさ、この子が嫌だろうな。
髪サラサラの彼氏がいるって言ってたし。
でももう、これ以上こいつらに煽られ続けるのは迷惑……
「ごめん」
「…!?」
俺は言われるがまま、彼女にキスをした。
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葵 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません...。 物語一気に読んじゃいました。 彼女さんとお付き合いすることになったきっかけの所読んでいてめちゃくちゃ笑ってしまいました(笑) 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2018年7月24日 3時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - キャラメルらてさん» ありがとうございます!完全に作者の自己満足ですが、これからもよろしくお願いします<(_ _*)> (2017年11月12日 20時) (レス) id: 59c787674e (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルらて - すごい面白いです!読みながらにまにましております(笑) (2017年11月12日 14時) (レス) id: 97c1c171bd (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - シゲのミホさん» コメントありがとうございます!リアルな感じ目指して頑張ります\(^o^)/ (2017年10月13日 1時) (レス) id: 59c787674e (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - みさみささん» はじめまして!ありがとうございます!頑張ります! (2017年10月13日 1時) (レス) id: 59c787674e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルカ | 作成日時:2017年9月16日 21時